11/05の日記
22:59
一方通行の恋愛事情23
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side:マリア・ロス
シェスカの暴動をなんとか止めて、一息。
「いやぁ、こんなにテンションMAXな人だとは思いませんでした。」
「軍曹、それよりもツッコミなさい。だけど、大佐の呟きだけでよくあそこまで妄想が広がるわね……。」
「最近、ツイッ○ーが流行ってるからじゃないですか?」
「ずれてるわよ軍曹。しかも呟いたのは大佐じゃない。」
「昼ドラ……もシェスカに影響は及ぼしたとは思うんですが、他にもあるんじゃないですか?」
「例えば?」
「BL小せ「私は何も聞いてない私は何も聞いてない」
「うちの妹が年頃なもんで、そーいう本がベッドのしたからゴロゴロ出てきますよ。」
「妹さんを矯正しなさい。兄の役目よ。」
「えー。」
「えーじゃない」
「……っくく。」
私達の会話を聞いて、ずっと黙っていた大佐がクスクスと笑った。
「あ、いやすまない。続けてくれ。」
「いえ、こちらこそ変な会話を繰り広げて……。」
「……そうだ。シェスカに、今までの事情を話してやってくれないか?」
『え?』
私と軍曹の声が綺麗に被る。
「でも……。」
「事情を説明しないと、彼女の頭がオーバーヒートしそうだ。」
『あー……。』
私達が視線を向ける先には、「大佐…不倫相手…ファルマン准尉…ヒューズ中佐…離婚弁護士…。」と怪しく呟くシェスカがいた。
〜説明中〜
「えぇ――――っじゃあ、ヒューズ中佐の不倫相手がマスタング大佐で、それをファルマン准尉がヒューズ中佐の奥様に言っちゃったんですか――――っ」
「混ぜてどうする」
「そしてこれを理解するまで一時間掛かるってどうなの?」
私が頭を抱えると、大佐はさらに可笑しそうに笑った。何処がそんなに面白いかがわからないけれど。
「そんな……ヒューズ中佐が…。」
「心当たり、有りすぎるなぁ…。」
『あるんかい』
私と軍曹、さらには大佐までもが叫んだ。
「だって、ヒューズ中佐に娘さんの写真を見せて貰った時ですけど――――。」
あ、なんだかヤな予感。
「その写真には、娘さんじゃなくて、ブロッシュ軍曹のメイド服写し「俺は何も聞いてない俺は何も聞いてない」
『えええええ』
流れ的に絶対マスタング大佐のメイド服写真だと…。
「ブロッシュ軍曹、ヒューズ中佐に何をされたんだ。……はっもう汚されたとか」
「大佐も落ち着いてくださいヒューズ中佐がそんなことする訳が無いでしょう」
「詳しくは聞かないで下さい。そして俺は汚される方ではなく汚す方です」
「貴方も黙りなさいブロッシュ軍曹」
「えぇじゃ……じゃあ、ロス少尉はもうブロッシュ軍曹に汚されたんですか」
「そうだけど…って違う」
「それじゃあ、大佐と中佐と准尉と少尉と軍曹の五角関係」
「もう、私以外にツッコミ係いないのブレダ少尉来――――。」
「失礼する。」
低音ボイスが響いた。
入口に目をやると、そこには赤目のイシュバール系の軍人――――マイルズ小佐がいた。
「電話が私の頭すれすれに飛んで来たので、持ってきた。」
「そ…。それはどうも。」
この人、外からこんなに重い電話を持ってきたの
「あそれじゃあヒューズ中佐に電話ができ『なくていいから』
シェスカに即刻突っ込む。全く、油断も隙もない。
「すみませんドタバタしてて…。」
私がマイルズ小佐に謝ると、小佐は手で制した。
「話はだいたい聞いていた――――廊下で一時間ほど。」
「廊下にそんなにいたんですか」
「入りずらい雰囲気だったからな…。」
「……すみません。」
「君が謝ることではない。」
マイルズ小佐はそれだけ言うと、マスタング大佐の前に立った。
「……やぁ、マイルズ小佐。」
マスタング大佐が、ややうつ向き加減で挨拶をする。だけど、マイルズ小佐は返事をしなかった。
「貴方も難儀な人ですね。他に愛しい相手がいるのに、ヒューズ中佐を好きになるなんて。」
「ちょっ……そんな言い方ないだろ」
軍曹が噛みつくけど、小佐は気にせずに続けた。
「まぁ、どっちかったらこっちの方が『相手としては』楽ですよね。たとえ貴方に愛想つかされても、別に代わりがいるんですから。」
「そうだな。」
「ですが、貴方は辛いですよね。覚えてらっしゃいますか?『相手の幸せを願うのも、愛の形だ』って。あれは、自分に向けて言ったのでは?」
「そうだな。」
「全く出来ていませんね。あの台詞自体、貴方が逃げるための言い訳だったのでは?」
「……そうだな。」
私達は、口を挟むひまがないので固唾を飲んで見守っていた。
――――この人、なにが言いたいの?
「マスタング大佐。貴方が今やっていること逃げてるのと同じです。」
「……。」
「私から言わせれば、くだらない行為です。」
「……。」
「何故なら、どんな事情が有ろうが無かろうが、『ヒューズ中佐』が『マスタング大佐』を本気で愛してるのは事実ですから。」
「……え?」
そこで、大佐はマイルズ小佐の瞳を見た。
「私が、いつヒューズ中佐とマスタング大佐のこと話していると言いました?」
「……。」
確かに、言ってない。
「だから、簡単に言うと『もっとヒューズ中佐を信じなさい』ってことですかね。」
「信じる……。」
「ええ。」
そこで初めて、マイルズ小佐が微笑んだ。
「いや、ね。マスタング大佐の気持ちはわからないけど、ヒューズ中佐の気持ちは良く理解できますからぬ。」
「……そういえば、君も妻子持ちでオリヴィエ少将に惚れていたな。その後、どうなった?」
何故かしら。四つん這いになって絶望を噛み締めるこの人からは、先程までのかっこよさがまるでないわね……。
「ま、まぁまぁ。じれったい恋ほど、そそるものがありますから。」
「わかってくれるか同志よ」
意外とあっさり復活。
「あれ?ブロッシュ軍曹、じれったい恋なんてしてたの?」
「それは私も思いました。」
私に同意するシェスカ。
軍曹はチラッと私を見ただけだった。
その表情が驚きに変わる。
「軍曹?」
「後ろ」
後ろを見ると、俗称『マスタング組』の面々+αが勢ぞろい。……でも、ヒューズ中佐がいない。
……私はそのなかに、ニコニコと立っている眼帯のおじ様は見なかったことにする。
その中のα――――オリヴィエ少将が口を開く。
「マスタング無事か」
「えぇ。」
と、答えながら大佐は顔を窓の方に向けた。
それもそうだ。泣き腫らした顔は見られたくないだろう。
と、いうよりも、今の状況で大佐を引き渡したら色々と危ない
どうしよう……。
そう考えているうちに、マイルズ小佐とシェスカが同時に叫んだ。
『ブロッシュ(軍曹)大佐を抱えて逃げろ(て)』
「えっ、あっ、はっ、はい大佐、失礼しますよ」
そう答えると、ブロッシュ軍曹は大佐をお姫様抱っこ……ってちょっとぉ
「まさか、私もまだお姫様抱っこされたことないのにって?」
「そうそれ……って何を言わせるの」
ブロッシュ軍曹に噛みつく。もう馬鹿
「そ、そりゃ、俺だってロス少尉のことをお姫様抱っこしたいですよただ、何にもないのにお願いしたら、俺変態みたいじゃないですか」
「え……?」
「あ……。」
顔が真っ赤になるのがわかった。
もぅどうして貴方はいっつもそうなの
「し、失礼します」
軍曹が窓から大佐と一緒に出ていった。
残されたのは、マスタング組+オリヴィエ少将、シェスカにマイルズ小佐それから私も。
大佐と軍曹が出ていってから、一番先に口を開いたのはオリヴィエ少将だった。
「……マイルズ。」
「はっ。」
「何故マスタングと色ボケを逃がした。」
色ボケ……ブロッシュ軍曹のこと?
「それは、今はそっとしておくべきだと思いまして。」
「そうか。それともう一つ。」
「はい。」
「ロス少尉とブロッシュ軍曹の結婚はいつだ?」
「オリヴィエ少将」
私が反論しようとしたら、シェスカの爆弾発言により、それどころではなくなった。
「たたた大変です投擲ナイフを構えたヒューズ中佐が、マスタング大佐とブロッシュ軍曹を追いかけ回してます」
『何いいい』
→ちょう雑ですみません適当すぎてすみません無駄に長くてすみません更新遅くてすみませんんんんんんん(T_T)
なんだこの展開は(←自分で書いといて
梅林さんに続く
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