09/10の日記

17:25
一方通行の恋愛事情21
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〜リザ・ホークアイの反省文より抜粋〜

この度は、医務室を半壊させて誠に申し訳ありませんでした。
しかし、これは大佐の為ですので、後悔はしていません。
大佐に近寄る害虫駆除を試みたのです。

















side:リザ・ホークアイ


「ホークアイ中尉。それは反省文とは言えんよ。」
「あ…すみません。」
大総統に咎められ、私は素直に謝る。
あの後、暫しの乱闘が起こり、見物人が増えた辺りで大総統閣下が仲裁に入った。
そして、私が代表して状況を話すと、閣下はにこやかに「じゃあ、ここにいる全員に反省文を書いてもらおうか。」と言った。
そして、今に至る。
…気になったのだけれど、どうしてあの場に閣下が来たのかしら。
あと、心残りが一つ。
ヒューズ中佐の息の根を止められなかった事。
閣下さえ妨害しなかったら、隙をついたヒューズ中佐にトドメをさせたのに…。
「リザちゃん。思考が漏れてるぞ。」
「あら、事実を言ったまでですわ。」
「そうッスよ。中尉が折角トドメを刺そうとしてなのに…どうして避けたんですか。」
「避けるに決まってんだろワン公。」
「君達、口だけではなく、手も動かしてね。」
『Yes,sir
閣下が今度は二人に注意する。
手を動かしている私達を見て、閣下はポツリ、と呟いた。



「マスタング君の取り合いも、程ほどにしなさい。」



全員が顔を上げた。
「なに、色恋沙汰に文句をつけるわけではない。しかしだね、こうも部屋を半壊させるのは駄目だよ。」
『…。』
図星なだけに、何も反論出来ない。



「まぁ、色恋沙汰で壊して良いのは――――頬骨だな。」



『はぁ
再び、全員の台詞が揃う。
すると、閣下は恥ずかしそうに顎を撫で、遠くを見ていた。
「いや、ね。私も若い頃には妻と何度もデートに行ったのだよ。」
「ちなみに、何回ぐらい?」
「105845回くらいかな。ファルマン君。」
『多っ
「皆が知っての通り、私は仕事だけの男でね…。女性とのデートはどうしたらいいのか全くわからなかったのだよ。」
「それで、どうしたんですか?」
「女性は容姿を褒めると喜ぶと聞いたので、その通りにしたのだよ、ブレダ君。しかし、『尻の形が良い』と褒めたら、平手打ちを喰らってね。」
「当たり前でしょうな。」
「そう切り捨てんでくれ、オリヴィエ君。そうして、デートの度に平手打ちをくらい、105840回…。」
「後の五回は流石に、デートの方法を学んだ…といった所で?」
「そうだよヒューズ君。ま、これは結婚する前の事だがね。しかし、平手打ちを初めて喰らってから、5000回の時に異変が起こったのだよ。」
『?』
「頬がズキズキと痛むので、医者に診てもらったら、頬骨にヒビが入っていてね。」
『はぁ――――
「5001回目のデートの時頬にガーゼをして行ったのだよ。それを見た妻には、『テロ組織との乱闘でやった』と話したがね。」
それもそうだ。
流石に貴女のビンタのせいで頬骨にヒビが入ったなど言えないだろう。
「妻は、私のガーゼに手を添え、『あまり、ご無理をなさらないでください。心配です…。』と言ってくれたのだよ。この時、あぁ、私の生涯の伴侶はこの人しかいない――――と感じてね。」
…相思相愛は人それぞれだけれど…。
皆を見渡すと、同じように微妙な表情を浮かべていた。
「…そういえば、結婚してからのデートはそろそろ500000回になるかな?」
週の内に何回デートしてるのかしら…。
「…平手打ちを喰らった回数は?」
「少し減って、253164回になったよ。ホークアイ君。」
「大総統閣下と奥様方の体を張った恋愛我輩感動
『感動するところじゃね――――


私の横で寝ているフュリー曹長は、まだ目覚めない。



side:ロイ・マスタング



一目見たときからわかっていた。
あの白い花。
「失恋」の意味を持つ花。
トルケスタニカの名を持つ花。

ほんの、出来心だった。
結婚しても私を愛していると囁くアイツへの、当て付けのつもりだった。

どうせ、アイツに花言葉などわかるまい。

『ヒューズ。』
『ロイ来てくれたのか
白いタキシード姿のアイツを見て胸が痛んだ。
『なかなか似合ってるじゃないか。』
『色男は何着ても似合うだろ?』
アイツは屈託なく笑う。私は作り笑顔を浮かべていた。
『そうだヒューズ、結婚祝いだ。』
さもいま思い付いたかのように、私は背中に忍ばしていた花束を渡した。
『綺麗な花束だな。ありがとう、ロイ。この花は何て言うんだ?』
『トルケスタニカだ。』
『へぇ…初めて知ったよ。花言葉は?』
『安心したまえ。悪い意味ではない。』
『返答になってねーよ。』
大丈夫だ、大丈夫だ。
そうさ、アイツはわざわざ花言葉を調べる奴ではない。
バレるはずがない。
そう思ってたのに――――。



早歩きで前へと進む。
すると、曲がり角の所で、人とぶつかった。
「きゃ
声の主――――シェスカは尻餅をつき、持っていた書類をぶちまけた。
「す、すまない。ぼーっとしてて…。」
直ぐ様書類を拾う。
「いえ、私も考え事をしていたの…で…。」
私の表情を見たシェスカの声が、徐々にしぼむ。
「? どうしたシェスカ?」
「…マスタング大佐。何か、辛いことでもあったのですか。」
「何故だね?」
「だって――――。」



「涙が…。」



「…。」
「大佐?」



「いや、雨だよ。」



「ここで名言を言わないでください――――
するとシェスカは、さっさかと書類を集め、私の手を引いた。



連れてこられた場は、ヒューズの執務室。
シェスカは入るなり、大惨事の執務室を片付けていた(ファルマン曰く)バカップルに、冷やしタオルとコーヒーを頼んでいた。
何事か、という表情をしていた二人だが、状況を理解して、ブロッシュ軍曹は冷やしタオルで私の顔を拭き(自分で出来ると言ったが)、ロス少尉はコーヒーを入れてくれた。



→ギャグをメインにしてみました(笑)。
中途半端で終わらせてすみません殴ってください(爆)
そして、長くなっちゃうので、赤目の小佐さん出せませんでした( ̄□ ̄;)!!
つかどんだけ反省文ネタ使うんだ。

梅林さんに続く

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