07/17の日記

19:32
一方通行の恋愛事情13
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side:ヴァトー・ファルマン


回りが煙のせいで見えなくなった。
現在寝そべっている私でさえも、何も見えない。
アームストロング小佐、本当に勘弁してください…って待てよ。
この煙に紛れて、ハボック少尉達が逃げてしまうのでは
しかし、今、起き上がるにも何があるのかわからない。
迂闊に動いては危険だ。
暫く待つか――――。



side:リザ・ホークアイ


「すみません、ロス少尉、ブロッシュ軍曹。大佐を消毒して頂けませんか。」
『は?…ていうか、パズーカコッチに向けるのやめてください
動揺し過ぎてバズーカを二人に向けていた。
私としたことが…。

とりあえず、バズーカを脇に置いて、二人に状況説明。その間、大佐はずっと考え事をしているようだった。
「は〜。そんなことがあったんですか。」
「いつかはやるかなとは思ったんですけどね。」
納得顔のブロッシュ軍曹に、苦笑いのロス少尉。
「…それはヒューズ中佐の事?それとも、ハボック少尉の事?」
「両方、ですかね。気づいてました?ヒューズ中佐とマスタング大佐が一緒にいるときのハボック少尉の眼」
「眼がどうしたの?」
「いや、上司二人を見る目じゃなくて、恋敵を見る目だったんで。」
私は、この時、微かに衝撃を受けていた。
まさか、あのハボック少尉…。
もしかしたら、他の人にも同じような眼をしてりるのかしら。
私と彼の違い。
私が持ちたくて、持てない心。


それは――――嫉妬。


…勝ち目、あるのかなぁ…。
「…い、ホークアイ中尉!」
私はロス少尉に呼び掛けられて、意識を戻した。
「どうしたんですか?」
「ごめんなさい、ちょっと考え事を…。」
「はぁ…。ところで、消毒は流石にやり過ぎなんじゃ…。」
「ヒューズ中佐が言ったの。お願いできる?」
「消毒って、なにすりゃいいんですか?」
私達の会話に、ブロッシュ軍曹が口をはさんだ。
「そうよね…。クレ○ザーとか?」
「いや、だったらせめて8×○の方が良いのでは?」
「それは運動のあとに使うの。じゃあ、ソフ○ンは?」
「良いですね!」
「…君達、私が『人間』だということを忘れてないか?」
今まで黙っていた大佐が呆れた眼を二人に向ける。
『あ、水に濡れたら無能だから…。』
二人が綺麗にハモる。
「OK、二人まとめて燃やしてやる。」
「駄目です大佐!」
私が大佐を羽交い締めにして止める。
ブロッシュ軍曹は反射的にロス少尉の前に立った。
それを見た大佐が。



「…そういえば、君たちはどこまでいったんだ?」





二人って付き合ってたんですか
真っ赤になるブロッシュ軍曹(そしてその後ろでもじもじしているロス少尉)に問おうと思ったら――――向こうで爆発音が聞こえた。


side:ヴァトー・ファルマン


煙が晴れてきた。
私が最初に見たものは――――逃げたとばかり思っていた、ハボック少尉。
まさか、私を守ってくれたのか?
「おい、ファルマン。大丈夫だったか?」
「は、はい。」
「そうか、良かった。」
そう言って、碧眼の少尉は笑った。
「…。」
「ファルマン?」



「貴方が、モテる理由がわかった気がします。」



「な、なんだよ急に…。」
照れたように頬をかくハボック少尉。
「とりあえず、私のうえから避けてください。」
「あぁ。」
ハボック少尉の下から起き上がった私が見たものは。

うつ伏せに倒れ、手元に血文字で『ひゅー』と書いているブレダ少尉。
目を回してしゃがみこんでいるフュリー曹長。
そして、両開きタイプになり、しかもアームストロング小佐の上半身が彫刻された医務室の扉。
そして、「我輩感動」と涙を流す小佐。

…でヒューズ中佐が逃げた



→完全燃焼☆
あとは任せたZE★ バタッ
梅林さんに続く

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