パロ小説

□恋×恋=変態
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今日も薄暗い、じめじめとした天気模様。


一向に晴れようとしない空に今日もマスタングはため息をついていた。



「……はぁ」



やる気がないのはいつもの事だが、今日は更にやる気がない。


「ホークアイさんがいないからってサボんないで下さい、先生」


「ん?」



ふぃっと軽く目を向けるとカルテを沢山手にした助手のハボックが。


「早く薬作って下さいよ、」

「…ぁあ、」



薬か…。



「はぁ、」

そうして
また一つため息を外に溢した。








┏━━━━━━━━┓
┃ 恋×恋=変態 ┃
┗━━━━━━━━┛




私の名前はロイ・マスタング(永遠の29歳)だ。
今はこの製薬会社に勤めている。とてつもない業績でこの年にして個人研究室を頂いた。


新薬の開発を、と会社のお偉いさんは勧めてくるが今はなんとなくアイディアが浮かんでこないのだ。
浮かんでくるとしたら愛しく可愛いくて気が気利いて、料理が上手で、…………

ごほん。

助手兼恋人のリザ・ホークアイ。


そんなこんなで出来た新薬は製薬会社が求めているのと正反対のものだった。




「精力活力剤、私的に言わせればホルモン過剰分泌剤…まぁ媚薬だな」



栄養ドリンクのような瓶に詰められているのは何てことない只だの液体。

しかし、一口摂取すれば忽ち体内の血圧が急上昇し、ホルモンが過剰に分泌され性的興奮が促進される。

動物実験においては100%の成功率を誇っているこの「媚薬」



まだ人体実験には挑戦していないのだ。



「でもそれ効いたらかなり応用がききますよね?」


ふいっとハボックが横から顔を出してきた。

「あぁ、そうだな……、」



応用がきけばホルモン剤として大きな社会貢献になるし、会社にとっても多大な利益になる。


しかし、



「まずはお試しっすね」


イヤらしく笑うハボック。


まぁ、実験すると名目を立てても今のこの瓶の役割は只だの大人の玩具だ。


「…今夜試してみるか」


「わぁ、ホークアイさんにですよね?」


「当たり前だ、」



こらえ切れない笑みが溢れた。



私はそれをかくすようにハボックの持っていたカルテを奪い、席を立った














________
from マスタング先生
sub 相談

今夜、ご飯を頂きに行きたい。


新薬の思案があるんだ。


__________





「分かりました、お待ちしています」


カチカチ、 パタンっ



今日は久しぶりの休暇で、家で愛犬のハヤテ号とまったりとのんびり過ごしていたのに。


リザは送られてきたメールにため息を着きながら、台所へと向かった。


休みの日くらい、デリバリーとかにしちゃおうか思ったんだけどな―……





「ワンワン!!」


「ん?どうしたの?」



冷蔵庫にある残り野菜を切っているとハヤテ号が足元にパタパタと尻尾を振りながら寄り添ってきた。



「まさか、もう?」


そう言った瞬間



トントン、



「リザ、私だ」




「早っ」



夕飯の支度すらしてないのに、


取り敢えず、切りかけの包丁は置いといて玄関へと急いだ。






ガチャッ、


ワンワンっ!!!!


「うおっ!!!」


「こんばんは、マスタングさん」



玄関の扉をあければハヤテ号が勢いよく飛び出して、マスタングさんの顔を潰していた。


「ハヤテ号、退きなさい」

ワンワン!!


「全く、元気良いな…ハヤテ号は」


やれやれと起き上がったマスタングさんの手には大きな紙袋が。


「何ですか?それは」


「ん?……、あぁ、これは夕飯だよ」



「え?」



玄関扉を閉めて、スリッパに履き替えると慣れた仕草でリビングまで足早に向かった。


「どうせ夕飯デリバリーにしようとか思ってたんだろ?」




ドサっと椅子に座りこんで、紙袋を机の上においた。

窮屈なネクタイを少し緩めて、手渡された上着をハンガーに掛けた。

「リザが好きな惣菜屋でパスタセットを買ってきたよ」


「ありがとうございます……」



確かに紙袋の名前をよく見れば行きつけにしているパスタ屋さんの名前が。


切りかけの野菜たちはサラダとして盛り付ければいいか。



「良く分かりましたね、デリバリーって」


「あぁ。私は君の事ならなんでも分かるさ」



「ある意味変態ですね」


少し悪態をついたら参ったなぁというような顔をして笑ってくれた。なんだか少し嬉しくて、歪みかけた顔を隠そうと台所へと向かった。





「なぁリザ、シャワーを借りてもいいかい?」


「Σえぇ、どうぞ」



「ありがとう、」




童顔の可愛い顔をくしゃりとさせて鼻唄混じりにシャワー室へといってしまった。





「……、はぁ」
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