小説1
□卒業。
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「あぁ〜、私もいつか機械の関係から卒業する時もくるのかなぁ」
昼下がりのリザの部屋。非番のリザの元にウィンリィが尋ねて来たのだった。
のんびりとリザの煎れたコーヒーを飲みながら、ウィンリィは日頃思ったことを淡々と話すのだった。
「あら、死ぬまでやるんじゃなかったの?」
「そのつもり…ですけど、……結婚したりしたら人生変わるのかなぁって」
リザは、ウィンリィの未来予想にすこし微笑んだ。
…まだあどけなさが残る少女がもう結婚を考えるなんてね…。
「そう…、」
「リザさんは誰と結婚するんですか?」
「さぁ?…気があった人じゃないかしらね」
コーヒーを口に含み、冷静を装うリザに鋭く目を光らせた。
「リザさんは…やっぱり、マスタング大佐と結婚するんですか?」
「…は?」
予想はしていたが、名前が挙がるとは思っていなかったので少し驚いた。
「だって…リザさんは守るべき人がいるって」
「…守るべきだとは言ったけどなにも結婚するとは言ってないわよ」
驚いた顔を直しながら、ウィンリィの誤解を解くのに内心必死だった。
「えーっ、お似合いですよ」
「そんなこと言うならウィンリィちゃんだってエドワード君とお似合いよ」
…。
図星だったようで、ウィンリィは鼻の頭まで顔を真っ赤にした。
「エドは…只の幼なじみですよ!!」
「…エドワード君にも言ったら同じような反応してたわよ」
丁度、3日前に家まで尋ねてきたエドワードも、ウィンリィの話題をだしたらコーヒーを溢しながら興奮していたことを思いだした。
「…エドもここに?」
「えぇ…なんか、銃を返しにきてくれたわ」