無現黙示録



流れ星を見て、君は「怖いね」と言った。


僕は、そんな君を不思議そうに見つめた。


「知らないんだ」と君は口にした。


「なにを?」僕は思わず尋ねた。


「流れ星を見ると、不幸になっちゃうんだよ」


僕は笑った。そんなこと初めて聞いたし、何より馬鹿馬鹿しい。


それでも君は、怒ったりせず、小脇に抱えた一冊の本を取り出した。


本には『無現』と書かれ、表紙には流れ星と、少年と少女が描かれていた。


君は本を開いて、ゆっくりと物語を読み始めた。

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