GS2 小説 短編

□誕生日おめでとう〜若王子先生視点〜
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9月4日。

数年前までは、何も意識せずに過ぎた日。

2年前に、ようやく僕の「誕生日」だということを思い出した。

そして、祝ってもらう気持ちが、こんなにも嬉しいものなんだってことも、初めて知ったんだ。

・・・全部、君のおかげなんだよ。





朝から、女生徒たちが次々と集まってくる。

皆の手には、色とりどりにラッピングされた箱や袋。

参ったな。
また騒ぎをおこしてると、教頭先生にお説教を食らってしまう。



あ、彼女。


生徒に囲まれる僕を、離れたところから恨めしそうに見ていますね。

背が小さいけれど、すぐに見つけられるんですよ。

・・・ふふっ、そんな表情も可愛いです。


つい、気づかないフリをしてしまう。


きみのその拗ねた表情は、ヤキモチだと思ってもいいのかな?

もう少し、優越感に浸らせてください。

・・なんて。

こんなことを思う僕は、意地悪だろうか?

そうだね、自分にこんな感情があることも、全部、君が教えてくれたんだよ。



あっ、調子に乗りすぎたかな・・・

ぷいっと踵を返して行ってしまった。


本当はすぐにでも追いかけたかったけれど、周りの生徒たちがなかなか離れてくれなくって。

・・・はあ、自業自得ですか・・・。




でも本気で怒ってるわけじゃないよね?




君以外からの贈り物は貰う気は一切ないから安心して。


そのかわり、僕がいま一番ほしかったものを君から貰うつもりなんだ。


本当はもっと欲しいものもあるんだけれど、
・・・それはまだずっと先までとっておくよ。


僕の誕生日は、この先何回でもやってくるのだから。






・・・・これからも、一緒に祝ってくれますよね?






おしまい☆

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