ぷよ小説
□ツノ
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今日も変わらず平和なプリンプタウン。そんな町の片隅のとある家に、悩める少女がいた。
「はぁ…」
少女の名はリデル。ため息をつきながら鏡、正確に言うと鏡に映った自分のつのを見ている。
「……なんだか、ツノが大きくなった気がします…」
そう呟きながら、自分のつのを隠すようにお団子頭を作る。慣れた手つきで整えおわると荷物を持って学校へ向かった。
学校に着いてもツノが気になるのか手鏡を見続けるリデル。
そこへ高飛車お嬢様がやってきた。
「あらリデルさん。ずいぶん身だしなみに気をつかっていらっしゃるのね」
「ラフィーナさん」
「いいことですわよ、自分を常に意識することは。自分の外見に対する自信にも繋がりますもの」
美に対する意識は人一倍のラフィーナである。たまにはまともなことを言う。
「でも、あまり自信はありません」
「あら、何か悩んでいらっしゃるのかしら」
「……いえ、何でもありません」
とたんにうつむくリデル。
「どうしてそんなに消極的なんですの?話してくれてもいいじゃないですの」
「…ごめんなさい」
「ですからどうしてすぐに謝るんですの、って」
気が付くとリデルは今にも泣きだしそうな表情をしていた。そして自然と周りの空気もしらけてくる。自分に集まる白い目を気にしたのかラフィーナはその場を立ち去った。
放課後、リデルはとぼとぼと歩いていた。
「あっ、リデル」
振り向くとりんごが歩いてくる。
「りんごさん、今日はアミさんと一緒じゃないんですか?同じ部屋でしたよね」
「あ〜、アミティはシグと一緒に補習だよ。それより、何か悩んでるでしょ?」
「えっ…どうしてですか?」
「うーん、勘かな。でも、そんな気がするんだよね」
りんごはにかっと笑う。
「……あの、りんごさんの元いた世界には、ツノのある人はいましたか?」
「えっ…ううん、動物とかには生えてたけど」
「そう、ですか…」
「……(なるほど、リデルはそこを気にしてたんだ)…皆に聞いてみたら?」
「はい?」
「1人で悩んでないで、皆の意見を聞くべきだよ。三人寄れば文殊の知恵って言うしね」
「りんごさん…分かりました。町に行ってみます」
「うふふ、いい答えが見つかるといいね」
「はい!」
リデルはとびっきりの笑顔を見せた。