小説

□てるてる坊主
1ページ/1ページ








雨の日の彼は、四六時中窓の外を眺めている。






憂いを秘めたその瞳は、吸い込まれそうなくらい色っぽい。







……なんて、そんなこと思ってしまうのは私だけかしら?










雨が降るたびに、てるてる坊主を作っている大佐も






雨があがるたびに、嬉しそうに私に報告してくる大佐も






どちらともなんだか可愛くて、愛しいけれど。








だけど私が一番好きなのは







雨空を仰ぎながら、ため息をつく艶やかな表情と








頼りなげに揺れる、漆黒の瞳。









大佐。



あなたはこんなときまで私を魅了してるってわかっていますか?








雨なんて、嫌でしかたないでしょうけど。







早く止んでくれと、てるてる坊主に祈ってるでしょうけど。








私は、雨の日の『無能』なあなたが大好きなんです。






仕事がいつも以上に遅れるのは頂けませんが。




それでも、雨の日の大佐を見ていたいんです。





あなたへの想いを募らせていきたいから。














「誰だ!私のてるてる坊主を逆さまに吊した奴は!」






てるてる坊主さん。




もう少しだけ、雨を降らせてくださいね。



*********************** 短編って楽ですね(笑)
私自身が雨の日の大佐大好きなので、こんなの書いちゃいました(*´∀`*)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ