小説
□てるてる坊主
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雨の日の彼は、四六時中窓の外を眺めている。
憂いを秘めたその瞳は、吸い込まれそうなくらい色っぽい。
……なんて、そんなこと思ってしまうのは私だけかしら?
雨が降るたびに、てるてる坊主を作っている大佐も
雨があがるたびに、嬉しそうに私に報告してくる大佐も
どちらともなんだか可愛くて、愛しいけれど。
だけど私が一番好きなのは
雨空を仰ぎながら、ため息をつく艶やかな表情と
頼りなげに揺れる、漆黒の瞳。
大佐。
あなたはこんなときまで私を魅了してるってわかっていますか?
雨なんて、嫌でしかたないでしょうけど。
早く止んでくれと、てるてる坊主に祈ってるでしょうけど。
私は、雨の日の『無能』なあなたが大好きなんです。
仕事がいつも以上に遅れるのは頂けませんが。
それでも、雨の日の大佐を見ていたいんです。
あなたへの想いを募らせていきたいから。
「誰だ!私のてるてる坊主を逆さまに吊した奴は!」
てるてる坊主さん。
もう少しだけ、雨を降らせてくださいね。
*********************** 短編って楽ですね(笑)
私自身が雨の日の大佐大好きなので、こんなの書いちゃいました(*´∀`*)