奇跡〜冬に舞う桜〜
□第3話
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「着地成功っ!」
一瞬の静寂の後、ブランコの前に集まっていた子供達から大きな歓声が沸き上がった。
そして、子供達は平助くんの周りに集まっていく。
「すごーいっ!」
「かっこいいっ!」
「おねえちゃんっ!もう一回っ!」
最後の子供の言葉に、平助くんの頭に怒りマークが見えたのは気のせいだろう。
平助くんは周りにいる子供達を引き連れて、私の元まで歩いてきた。
「平助くん人気者だね」
「『お姉ちゃん』じゃぁないけどな」
「えっ!おねえちゃん、おにいちゃんなのっ?」
「かみのけ長いのにおにいちゃんなのっ?」
「髪の毛長いけどオレは『お兄ちゃん』だ」
腰を屈め、子供達と同じくらいの目線になって言い聞かせるように話す平助くん。
これはレアな場面なんじゃないかなっ。
本編じゃ子供達との絡みなんて沖田さんしかなかったし…。
「平助にーちゃんっ!」
「そうそう。それでいい」
「平助ねーちゃんっ!」
「今言ったの誰だぁっ!?」
『きゃーー!』
……うん。やっぱレアだよ。