奇跡〜冬に舞う桜〜

□第11話
1ページ/11ページ





「───……いっけぇーー!!アカこうらぁーー!!」

「あーー!!ゴール目前だったのにっ!!」

「わりぃ、平助。トゲゾーこうらもだ」

「ちょっ、酷くねぇっ!?」

「あ、キラーゲット。発射!」

『ありえねぇっ!!』



1位の平助くんを、2位の遥姉のアカこうらと、3位の智兄のトゲゾーこうらが襲い、4位の私のキラーにより、3人ともゴール目前でクラッシュ。

その隙に私がゴール。



「やったーっ。1位っ」

「忘れてたっ…、柚のお得意のキラー…」

「ってか、最後オレに集中攻撃じゃんっ!」

「カートの世界じゃ常識だ、平助」




───……冬休みが終わって、一週間が経った頃。

滑り止めの高校の入試も終わり、その解放感から、私達は毎晩、4人対戦のゲームで遊んでいる。

昨日はマリパー。

今夜はマリカー。



「うっしゃ!じゃぁ次はスマブラで大乱闘すっぞー!」

「遥架のハリセン攻撃怖いんだよなぁ…」

「後智兄のランドマスターも怖いよね」

「そういうお前らの大天空と地雷も怖ぇからな」

「ディスクセットOK!コントローラOK?」

『オーケー』

「Let's Party!」

『ヤーハー』



この気の抜けた返事をするのも、いつものこと(まったく、遥姉ときたら…何に影響されたんだか)

それぞれコントローラを握り直し、大乱闘開始と同時にAボタン連打。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ