奇跡〜冬に舞う桜〜
□第11話
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「───……いっけぇーー!!アカこうらぁーー!!」
「あーー!!ゴール目前だったのにっ!!」
「わりぃ、平助。トゲゾーこうらもだ」
「ちょっ、酷くねぇっ!?」
「あ、キラーゲット。発射!」
『ありえねぇっ!!』
1位の平助くんを、2位の遥姉のアカこうらと、3位の智兄のトゲゾーこうらが襲い、4位の私のキラーにより、3人ともゴール目前でクラッシュ。
その隙に私がゴール。
「やったーっ。1位っ」
「忘れてたっ…、柚のお得意のキラー…」
「ってか、最後オレに集中攻撃じゃんっ!」
「カートの世界じゃ常識だ、平助」
───……冬休みが終わって、一週間が経った頃。
滑り止めの高校の入試も終わり、その解放感から、私達は毎晩、4人対戦のゲームで遊んでいる。
昨日はマリパー。
今夜はマリカー。
「うっしゃ!じゃぁ次はスマブラで大乱闘すっぞー!」
「遥架のハリセン攻撃怖いんだよなぁ…」
「後智兄のランドマスターも怖いよね」
「そういうお前らの大天空と地雷も怖ぇからな」
「ディスクセットOK!コントローラOK?」
『オーケー』
「Let's Party!」
『ヤーハー』
この気の抜けた返事をするのも、いつものこと(まったく、遥姉ときたら…何に影響されたんだか)
それぞれコントローラを握り直し、大乱闘開始と同時にAボタン連打。