奇跡〜冬に舞う桜〜

□第3話
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『冬休み』

それは学生に与えられる長期休暇。

長期といってもほんの2週間程度。

その長いようで短い休暇中に学校から出された宿題を

普段はできない冒険を

年の最後には大掃除を

しなければならない。


学生の本業は勉強。

つまり学校から出された宿題を片付けるのが基本だろう。

しかし、宿題にばかり時間を割いていれば、普段はできない冒険ができなくなるではないか。


どちらかの時間を多く、

どちらかの時間を少なく、

天秤にかける二つの時間。

どちらかを選べと言うのなら私は……───




「冒険の時間を選び取る!」

「いきなりどうした柚樹?」

「平助くんっ、朝ご飯食べたら公園行こっ!公園っ」

「公園?」

「子供が遊ぶための広場だよっ!遊びの道具がたっくさんあるのっ。せっかくの休みなんだから、今の内に外の世界をもっと知ろうっ?」

「後半の言い分には納得するけど前半は聞き捨てならねぇ」



オレは子供じゃないっ!と大きな目で訴えてくる平助くん。

大丈夫…

十分子供に見えてるから。

オプションとして犬の耳と尻尾も見えちゃうよ。



「大人な平助くん、子供な私と一緒に公園に来てください」

「すげぇ無理矢理感があるけどこの際それは無視してもいいかな?」

「じゃぁ…公園、一緒に行こっ?」

「……おぅ」




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