奇跡〜冬に舞う桜〜
□第6話
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「みんなお帰り〜&おっはよ〜」
「あっ!遥姉ちゃんっ!」
「おそいよー!おなか空いたぁ!」
「あーはいはい。朝からうるさいよチビっ子諸君」
朝飯の準備が大体終わったところで、髪に寝癖をつけた遥架が部屋に入ってきた。
その後ろからヒョコッと柚樹が顔を出す。
すると、さっきまで部屋の壁に背中を預けて座っていた愛が立ち上がり、部屋の入り口へと走っていった。
そして、柚樹の腰にギュゥッと手を回す。
「愛は相変わらず柚のこと好きだね〜」
おいで〜。と遥架が手を伸ばしても、愛は柚樹の腰に抱きついたまま、いやいや。と首を横に振る。
柚樹はそんな愛の手を引いて、俺の隣に腰を下ろした。
「みんな揃ってんなー。じゃ、いただきまーす」
『いただきまーすっ!!』
智弥に続いてチビっ子達も手を合わせて一斉に朝飯を食べ始めた。
チビっ子達の拙い箸の持ち方を見ていて、少し心配にもなるけど、難なく食べていくチビっ子達に安心して、オレも食べ始める。
隣では柚樹が、食べやすいように魚の身をほぐしている。
そのほぐした身を、愛が食べていく。
「平助にーちゃんっ、ぼくのお魚もとってーっ」
「うわっ…!グチャグチャじゃん…。えーと…健太…だっけ?ほら、皿貸してみ」