キリリク

□彼と彼女の恋愛事情
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今日は朝からそわそわしたり上の空だったりと違和感たっぷりな骸。

そんな彼女に、今日なんか特別な日だったっけ?と首を傾げて考えてみるものの思い当たるふしは何もなく。

何かを言いたそうにしてるのはわかるんだけど、滅多に見れない骸の挙動不審な態度を呑気に楽しんでいるうちに、いつのまにか陽も傾いていて、骸もどんどん落ち着かなくなって。


(いつでも話しかけられるようにと隙をいっぱい作ってるつもりなんだけどなあ…)



ちらちらとこちらを窺ったまま未だ何も言いださない骸に結局俺の方が根負けして。



「あの…さ。どうしたの?骸」



諦めてこちらから声をかけてみれば盛大に体をビクつかせた骸が恥ずかしそうに告げたのは



「夜、綱吉君の部屋に…、行きたいなあと、思いまして……。」



なんて、何をそんなに言いづらそうにしていたのかもわからないほど、今の俺達にとっては他愛のない内容。


あまりに他愛のない内容に思わず噴出せば



「クローム達に美味しいワインを貰ったので一緒に飲もうと思っただけです」



骸は真っ赤な顔でそう続けて、そわそわしながら俺の答えを待っている。

そんな、まるで付き合い始めた頃のような骸の態度に、今日はまたやけに可愛いなあなんて俺の機嫌が自然と上向くのは仕方がない。



「骸、もうお酒飲んで大丈夫なの?」

「…は、はい。そろそろ試してみようと思ってたので」

「じゃあ今日の夜は骸のお酒デビューを祝してお前の好きな料理デリバリーしてワイン飲もうか。」



そう提案すれば、何故か更に顔を赤くして頷く骸に不思議に思いながらも俺の機嫌は良くなるばかりで。



「じゃあ、僕はこれで……」



それが顔に出ていたのか、バツが悪そうに俺から視線を逸らして逃げるように部屋を出ていってしまった骸を見送った後、上機嫌で早速今晩のことに思いを巡らせる。



(赤ワインか白ワインかどっちかか聞くの忘れちゃったから、どちらでも好いように料理を用意しておかないとなあ。)



骸につられて俺まで気分は付き合い始めた頃に戻ったようで、鼻歌なんて歌いながら考えを巡らせていたら




「何ニヤけてるのツナ」


「っわあああ!!」





突然間近で声をかけられて、数分前の骸のように盛大にビクついた。






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