キリリク

□彼と彼女の恋愛事情
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「…っあ」



骸の手から放れスローモーションで床に転がったワイングラス。




買ったばかりの真っ白なラグに広がった紅色に、



ドキリ



心臓が跳ねる。




それはまるで、先ほどの自分の行動を思い出させるようで、



そして同時に、これから先の出来事を予兆するようで。



妖しく染まったその色から俺は、目が離せずにいた。






彼女の恋愛事情









「……綱吉君」



ふと耳に届いた甘さを含んだ骸の声に我に返れば



「………む、むく…ろ?」



いつのまにかソファに座った俺の膝の上に跨り至近距離で俺を見つめている骸の姿に驚いて上擦った声をあげてしまう。



「…つなよし、君」




吐息がかかるほどの距離。



(…もしかして)



焦らすように動きを止めて誘うように俺の名を呼ぶ、

頬を赤く染め瞳を潤ませた恋人の姿から視線が逸らせなくて。



(…き、効いて…る!?)



目の前の骸に釘付けになったまま俺は、ポケットの中の空になった小瓶をズボンの上からきゅっと握り締め、もしかして、もしかするかもしれない展開に




(ありがとう!ありがとう、リボーン!!)




最恐の家庭教師に心の中で感謝しながら




ごくり




その先を期待して喉を鳴らた。






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