おいでませルミナシア
□テレジアからの訪問
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世界樹の数ある枝の上。クスクス。そんな効果音が合うような笑い方で黒髪の青年が笑う。その横に立っていた長身の剣士は眉間にシワを寄せた。感情に比例するように透き通った青色の羽が動く。それにまた青年は笑う。
「随分愉快な世界だな」
「…愉快?」
「ん?あぁ悪い意味じゃない」
「どんな意味だ」
「んー強いて言うなら俺を退屈させなそう」
そう言ってまた笑う青年に剣士―クラトスは気づかれないようにため息をついた。
ルミナシアに降り立った彼らはテレジアという世界のディセンダーとその介添人という関係であり、それを一線越えた関係でもあった。
テレジアのディセンダーがなぜこの世界にやって来たのか。その原因はカノンノである。遊びに来ると言っていたのに、中々来ない彼女を探しに行こうとした時、ぐにゃりと曲がった謎の場所へと吸い込まれ、気づいたらここにいた。
最初は頭にクエスチョンマークを浮かべていたが、後に同じように飛ばされたらしいクラトスに出会い、現在にいたる。
「しかしあれだよな」
「?」
「カノンノ…ここではパスカだっけか?を引き寄せたのがこの世界のハロルドなら」
「戻るのもハロルドの力を借りねばならんだろうな」
さっきから疲れたような表情を見せるクラトスとは対象的に笑ったままのテレジアのディセンダー…トキは猫のようにスウッと目を細める。
「楽しくなりそうだよなぁ…」
本当に楽しそうに言ったトキの視線の先にあるのは、自由の意味を持つギルドの船。これからのことを考えるとクラトスは今日何度目かわからぬため息をついたのだった。
(そういえば)
(どうした)
(この世界にもクラトスっているよな)
(……………はぁ)
(ため息ばっかりついてると幸せが逃げるぞ)
end
テレジアディセンダーとその介添人参戦!
こっちのクラトスにはアウリオンって名乗ってもらおうかな!