捧げ物

□竜谷まりな様へ
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この家の家事はほとんど俺がやっている

そのどれもが俺にとっては楽しいしマスターの役にたてるので嬉しい

まず朝、一番最初にやる仕事がそのマスターを起こすこと

実は家事の中でも凄く好きな事なのだ


「マスター、起きてください」


カーテンを開けると太陽の光が暗いマスターの部屋を照らし出す

しばらくはなんの反応もなかったのだが布団が少しだけめくられて未だに眠そうな顔が覗き、それからまた潜ってしまった

珍しい

いつもならカーテンを開ければ起きるのに


「おはようございます」


そういえば昨日は夜遅くまでめーちゃん、アカイトと酒を飲んでいたらしい

(リビングが空き缶だらけだった)


「…カイト」

「…なんですか?」


ちょっとこっちきて、と手招きをされたので大人しくそれに従う

手だけしか出ていないので多少怖い

ベッドの前まで移動すると、マスターがようやく顔を出す


「マスター?どうしたんで…っ!?」


強く腕を引っ張られ体制を崩した俺はそのままベッドへと倒れこんでしまった


「ママママ、マスター!?」


起き上がろうにもいつの間にかマスターの腕が背中に回されていて抜け出す事ができない
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