純情ロマンチカ
□甘いヤツら※甘？
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俺はチョコを食べる手を止める。
｢あ、あのさ…ウサギさん？｣
｢ん、何？｣
｢俺もさ、実は…チョコ…用意してるんだよね……。｣
ウサギさんが甘いものダメなのは知ってるけどさ、日頃のお礼というか……ね。
｢それは本当か？｣
｢う、うん。あ、でもウサギさん甘いものダメなら無理して食べなくていいから！｣
｢何を言ってるんだ。いらないわけがないだろう。｣
｢……さっき食べないって言ったくせに…。｣
｢それとこれとは話が別だ。｣
もうどっちなんだよ…。
｢別って……どういう意味だよ……。｣
｢いらないって言ったのはそこにあるファン達からのものだ。俺が欲しいのは美咲からのものだけだってこと。｣
真っ直ぐ俺の目を見て言うものだから、思わずドキッとしてしまう。
｢…っ!｣
まともにウサギさんの顔が見れない……。何故なら今、俺の顔が赤いから。
｢どうした？俺にくれるんだろう？｣
｢わ、わかったよ｣
そう言って俺は自分の部屋にチョコを取りに行った。そして心臓の鼓動を整える。
あの顔は反則だよ……。
でも……ウサギさん喜んでくれるといいなぁ……。
−よし！
そしてウサギさんのいるリビングに戻る。
｢お待たせ。
はい、ウサギさん!
ウサギさん甘いものダメだからビターチョコにしたんだけど……。食べれる？｣
｢ありがとう、美咲。
それなら俺も食べられるよ。｣
よかった…。
｢美咲、今食べていい？｣
｢う、うん!｣
ウサギさんが包みを開け、チョコを食べる。
｢ど、どう？｣
｢うん。思ったより甘くないし……とてもおいしいよ。美咲も食べてみる？｣
｢え？いいの？｣
｢勿論。……それじゃ…。｣