ドラゴンボール
□支配権の主
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なんで…………
どうして………
こんなことになっちまったんだ?
満天の星空に月明かりが照らす、少し肌寒くなった秋の季節。虫の鳴き声、草花達の騒めきが気分を和ませてくれる。
そんな美麗に包まれている屋外の夜とは裏腹に、親子は神に背く行為をこの聖域で犯していた。
全ては息子の所為で。
部屋には悟空と悟飯の2人きり。当の家族はと言うと今夜はC.C.社、ブルマの家で一夜を過ごすということになっていた。
要するに何をやろうが、大きな声で騒ごうが喚こうが、誰にも知られないわけである。
これを機に息子である悟飯は実の父親である悟空に己の強欲を押し当てていた。
「う、ごは…っ、ど…して!」
息子のする行為に対して必死に抵抗して訴える父。
手首を縛られてる所為で身動きが取れない。
そんな力なき父に息子は何から何まで痛みつけていた。
悟空の意思を背き、服を裂いて露になった肌に次々と卑猥な行為を繰り返す。胸の尖りを刺激すればそのもどかしいような感覚に翻弄され、意志とは裏腹に意外にも艶やかな声が荒らげる。それはびっくりするほど優しく、奇妙で生々しくまるで弄んでいる手つきだった。
「どうして?何を言っているんですか。僕をこんな風にさせたのはあなたでしょう?」
そう言い露にしたすでに膨張しきっている悟空のソレを力いっぱい握り締める。
すると途端に部屋に響く苦痛の声。
「ひっ、ぐぅ……!」
激痛に必死に悶える悟空。自分の性器をなんてまずないことだ。
「抵抗するならしてくれても別に構いませんよ?この部屋…いや、家自体が破壊されてしまいますし、何より貴方の大切な息子の僕が怪我を負ってしまいますけどね」
あ、でもこんなことしたらもう息子じゃなくなっちゃいますね。
人を傷つける、ましてやそれが自分の家族だなんて父に出来ないことさえすでにお見通しだった。
世界中、いや宇宙でさえも太刀打ち出来ない悟空の力でも、抵抗出来ない相手がいるだろとすればおそらく自分しかいないだろう。
それを弱みと化して攻め立てていた。
己が経験した痛みを味わせるために。
「僕は変わってしまったんですよ。あなたのおかげでね。」
あなたを失ったあの時から、あなたがいなかった空白の7年間、僕がどんな思いでいたか到底わからないでしょうね。
今でもあの日のコトが何度もフラッシュバックする。そのたびに僕は悪夢にうなされていた。僕が犯してしまった罪をどうしたら拭うコトができるのかってずっとずっと考究していた。
精神的にも自分をどれだけ攻めたことか。
でもどんなにあがいても、試行錯誤しても己が救われるスベはなかった。
「貴方にはわからないでしょうね。
僕が味わった苦しみを!」
細く整った腰を掴めば、己の逸物を悟空の中に押し当てて一気に挿入した。全くならしていないため、悟空の躰に今まで味わったことのない激痛が走った。
「あ"あぁっ!!!!い、やだぁぁぁ!!!!」
部屋中に慟哭が走る。
さすがに一気に全部は納まるハズもなく、中の締め付けで途中挿入を阻まれた。だが悟飯はこれでもかと云わんばかりにどんどん腰を進めていく。留まることのない悲鳴の声。だが悟飯にとってはそれさえも自分を煽るように思われた。
それどころかどんどん腰を進めるばっかりである。
必死に止めてくれと頼み込むが息子は決して許してはくれない。
その顔はもう獣と化してるようで酷く恐ろしかった。
もう誰も息子を止められないのである。
この状況から解放される術はなく、ただ息子の痛みつけられ、いいようにされるがままだった。
「痛いですか?そりゃそうですよね。痛くしてますもん。でもね、躰の傷はいずれ癒えますけど心に負った傷は一生癒えることはないんですよ?」
そう、僕の心の傷は決して消えない。
わかりますか?この違い。僕と貴方の違い。
罪の深さから何までも。いくら傷ついて罪を負っても重なることは決してない。同情してわかろうとするなんて持っての他です。悲哀なんて論外だ。そんなのただ元ある傷を穿ってさらに深くするだけです。
ねぇ、お父さん。
僕がどんな思いで今まで過ごしてきたきたと思いますか?
「はああああっ、い、んあっ、あ、んうぅ!」
悟飯の逸物が全て秘部に納まったら、壮絶な痛みがさらに悟空を襲う。
体全体に強い電撃を流されたような感覚である。
痛みはもちろん、その奥にはちょっとした快感の渦が微睡んでいる。
それはいずれ、悟空を地獄に陥れる糧になることはまだ本人は知らない。
そして、悟飯も――。
だがそんなものは今の状態であるはずもなく与えられるのは激痛のみだった。
だが体中の全ては悟飯の支配権にあり、悟空は最早どうするコトも出来ないのである。
「貴方にはそれ相応のを受けて頂かないとね」
味わせてあげます。僕が負った心の傷と同様の痛みをね。
「ご、はんっ……、も…許、して…ぇ…」
悟空の頬には、何筋ものの涙が流れていた。
それを悟飯は舌で掬う。
もう、おぞましい
悟空の意識は、いつのまにか途切れていた。
――――