ドラゴンボール
□青空のすきま
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「も〜最悪。」
今日は1日中晴れだと言うから傘は学校に持っていかなかった。それなのに……これだ。やっぱり梅雨の時期に傘を持っていかないのはまずかったかなぁと思いつつ、木の下で雨宿りをしていた。だから木だけあって葉っぱと葉っぱの間から雨が通り抜けてきて、水滴も落ちてくる。あまり木の下ってのは言うほど雨宿りにはなっていない。だがまわりには建物も何もない山なので仕方なかった。
僕は雨が嫌いだ。
だってなんだかじめじめするし、むしむしもするし、冷たいし気持ち悪い。
特に梅雨の時期なんかは最悪だ。毎日と言っていいほど雨が降る。だから毎日憂鬱な気分になるんだ。
でも、そんな気分を吹き飛ばしてくれるのが、ライラックの君。
「おーい!ごてぇん!!」
向こうの空から聞き覚えのある声がした。
「えっ、トランクス!?」
空からトランクスが僕の元へと飛んできた。ここはそうわからない場所なのに。
「よっと。」
「どうしてわかったの?」
「バーカ、気だ気。どうせお前傘忘れただろうと思って持ってきてやったんだよ。ほら。」
そういってトランクスは傘を差し出した。
「あ、ありがとう。」
「おう。とにかく帰ろうぜ。」
と、その時
「あっ」
じゃじゃ降りだった雨が一瞬で止んだ。曇り空の隙間から青空も見えている。
太陽の光もさしていて眩しい。
そして……
「「虹だ!」」
2人とも思わず口に出してしまい、声が揃った。
「すっげぇ…こんなの初めて見た…。綺麗……。」
「そうだね、すっごい綺麗。」
しばらく2人で虹を見上げる。端から端までちゃんと繋がっていて、色もはっきりしている。こんな綺麗な虹ってあるのかってぐらいに。思わず見とれてしまった。しばらくして空はさっきの雨が嘘みたいに、雲ひとつない青空になっていた。
「よし、行こっか!!」
「うん!!」
2人はお互いの手を握り、青空のもとへと飛んでいったのだった。