ドラゴンボール

□あの頃のように
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―パオズ山――。


そこは子供の頃からの2人の思い出がたくさん詰まった場所。
ここで、遊ぶときも
組み手をするときもいつも2人一緒だった。


いつまでも変わらないこの景色。


でも今の俺たちはあの頃と随分と変わってしまった。







「じゃあ俺もう帰ろうかな。」


「うん。じゃあ僕途中まで送るよ!」


「いいよそんなのι」


「僕がそうしたいだけなの!」


「そう?じゃお願い。」


トランクスは孫家を後にした。






武空術で空をぶっ飛ぶ。
今日は空も綺麗で風も心地よい。


悟天は一旦停止してトランクスに問いかけた。


「ねぇ、下歩かない?」


「なんで?」


「ん〜…気まぐれかな」


素っ気ない返事を返す悟天。
だけど特に断る理由もないので言うとおり下を歩くことにした。


「フッ…変なヤツ……。まぁいいや、歩こう。」


2人は武空術を解いて下に降りた。



目の前に広がるのは懐かしいあの頃の風景。


「懐かしいよね……この景色。昔よく遊んだっけ。」

「あぁ……イヤと言うほど2人で遊んだ。」


「っで、よく悪さをしてお母さん達に叱られた。」


「ははっ…!
わんわん泣いたよな〜」


自分たちの子どもの頃を思い出して懐かしむ2人。



「ねぇ、…あの頃みたいに手を繋ごうよ。」


「ん?そうしないと怒られるのか?チチさんに。」


「あー僕をバカにしてるね!僕もう子供じゃないんだよ?!」


「悪い悪い……嘘だって!ほら、繋いでやるよ。」


俺が手を出すと悟天は嬉しそうにその手を握った。


ゆっくりと思い出の道を歩く。
真っ赤な夕日が僕たちを赤く照らしていた。

お互いの手のあったかさが感じられる……
とても優しく暖かい。


「綺麗だな……夕日。」


「そうだね……でも僕は青空の方が好きかな……。」

「どうして?こんなに綺麗なのってめったにないぜ?」


「青は……君の瞳の色だから」


「…っ」


あまりにも優しい表情で俺を見るから、思わず言葉を詰まらせた。


「キス…していい?」


「……嫌だ……






って言ってもするんだろ……?」


「お見通しだね。」


そして悟天の顔が近づいてくる。

腰を捕まれて動けなかった。
一歳違いの差を埋めるように越された身長。コイツ…いつの間にこんなに背が伸びたんだろう。ついこの間まで俺が上だった。肩幅だって幼い時とは比べものにならないくらい広くなった。
知らない間にコイツはどんどん成長していく。昔はすっげぇ泣き虫だったのに……立派になったな……。
さっきから握っているこの手さえ………

俺が手を引かなくったって歩けるんだ………。





…しかしコイツなんでこんなにキスうまいんだ……。
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