純情ロマンチカ
□甘いヤツら※甘?
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今年もやって参りました、バレンタインシーズンです。
この時期…何処へ行ってもピンクや赤の包み紙が目立って、女の子達がそれを見ながらワイワイ言っている。
女友達とかいないから、貰う宛てじゃないしね。
別に俺にはあまり関係ない事なんだけど…。
そしてこの時期、俺は毎年チョコに迫られるのだ。
「だだいまー…ってわ!」
あー…今年もきたかぁ…。
リビングには、ウサギさんファンの女の子達から届いたチョコで埋め尽くされていた。
「お帰り、美咲」
ウサギさんはチョコに見向きもしない。
俺はコートを脱いぎ、ウサギさんと向かい合わせでソファーに座る。
「あの…テンテー…。どうするんですか。このチョコの山達。」
「美咲に全部やる」
やっぱりそうきたか……。俺甘いもの好きだからもらえるのは有り難いけど……
「ウサギさんさぁ…折角もらったんだから少しでも食べなよ。」
「俺は食べないよ。
別に欲しいなんて言ってないし。」
またコイツは……。
感謝のひとつもないのかよ……。
くれた人に失礼だろーが。
「わーかーりーまーしーた!!俺が全部食べればいいんでしょ!!」
これで当分は甘いものに困らない。
俺は渋々、目の前にあるチョコを食べ始めた。