LUCKY DOG1

□君はひまわりのよう
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幸せ━━…って結構身近にあるものだと思う。無理に手を伸ばさなくても、自然と掴み取れる。
多分それは、こいつと一緒にいる他愛のない時間から。不意に感じとってるのかもしれない。

今日は1日中ジャンと一緒にいた。…いてくれた。誕生日と言うことで料理を振る舞ってくれたり、普段しないような話もした。お互いの昔のこととか、俺の死んだ家族のこととか……。こうやって人に話せたのは初めてのことだった。相手がジャンだったからと言うまでもないが。
もちろん……夜もお互いを求め合って、ずっとにいた。今やっと終止符を打てたところだ。この2人で抱き合いながら寝ているときが一番落ち着く。
傍にいてくれるこいつの暖かな体温が伝わる度に胸が熱くなる。
触れ合う暖かい肌、愛らしくて優しい声。生粋のブロンド、蜂蜜色の瞳、こいつの全部がただ単純に……愛しい。
俺だけの、金髪ワンワン。

「なによ、にやにやして。…気持ち悪いわよルッキーニ」

「ん……いや、幸せだなーって」

「……びっくりした。あんたでもそーゆーこと言うんだ」

「なんだ?俺がそんなこと考えてたら悪いか………よっ!」

「ぎゃっ、ん…ふふ。くすぐったい、やめっ」

「…カーヴォロ。もう一生お前を離しゃしねえよ」

「……離されてたまるかよ。俺だって今すんげー幸せなんだぜ。
あんたと…一緒にいれて…な?」

「…ジャン……」

「Buon Copleanno、Luchino」


お前は俺の相棒。最高のパートナー。ずっと俺の側にいてくれる。こんな俺に、笑顔を向けてくれる。目一杯愛を与えてくれる。大事な大事な恋人。些細なことかもしれないが、それが俺にとって、最大の幸福。
最高のプレゼント。

「Grazie、Gian。……Ti amo」

「Come per me……」
(俺も……)


失いたくない。
この温もりを。
もう二度と手放さない。
愛する人を。


ずっと一緒に……。

歩いていく。

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