LUCKY DOG1

□不条理なドルチェ
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あああ〜疲れた。毎度毎度以上の仕事を押し付けやがって…。アレッサンドロ親父のヤツ……。いや、まぁ俺のこと思ってのことだろうと思うけどさ、もう少し限度っていうものを考えて欲しいんダケド。これでもここ3日まともに寝てねぇんだからさ。躯が極限状態にまで陥ってる。当の親父は女と夜の街へと同化していったし、まったく…もう。
でもこの忙しさもカポならでは…というものですかね。俺は立派なカポに為るため頑張りますよ、うん。

あぁ……腹減ったなぁ…。

悶々と愚痴扱いていたらドアを敲く音が聞こえた。
誰だろうこんな夜中に……。


「……ド〜ウゾ」


ドアの方に目を向けると、


「ボナセーラ、ジャン」


そこには躑躅色の髪をなびかせたルキーノが立っていた。まぁ、今日もライオンヘアーが素敵で何よりだわ。


「あら、シニョーレ。こんな夜中にどうしたのかしら?」


椅子をルキーノの方に回し、お得意な口調で問い掛ける。


「軽食は如何かなと思ってね。どうせ仕事で疲れてるんだろ?」


ルキーノが持っていたおぼんの上には、湯気のたったあったかいレモンティーとサンドイッチが乗せられていた。


「ワオワオワオ!!さっすがルキーノ!今調度腹減ってたところなんだよ俺〜。気が利くぅ〜!」


ちょうど、仕事が片付いて小腹も空いていたところだったのだ。なんというジャストタイミング。


「このくらい、当然のことだ」


伊達にいつもジャンを見ているわけじゃないからなと語尾に付け加えられでちょうどむず痒い。


「グラッツェ、愛しのライオンちゃん」


頬にちゅ、とリップ音を鳴らしキスを落とした。


「お褒めに預かり光栄です、ボス」


ルキーノが軽く礼遇を示したあと、俺は早速目の前のサンドイッチに手を付けた。
ココはデイバン一の最高級ホテルだけあって料理もうまい。


「んあ、そうだルキーノ、ホントに軽食持ってきただけなのかよ?なんか報告とかじゃねぇのけ?」


今日のシノギとかシマの状況とか色々報告とか。俺一応カポだし。そういうの聞かなきゃだし。


「いーや、…別に?」


「なーんだよその曖昧な返答は」


「ん?だったら直に言うぞ?」


え、何、ちょっと嫌な予感がしないでもないようなこの空気……。


「ド、ドウゾ言ってくださいマセ」


恐る恐る問い詰めてみる……。





「ただお前とセックスしたくなったからここに来ただけ」



…………。



「………………………。
……お前……頭大丈夫か?GDの奴らにでもぶん殴られたか」


ルキーノの頭を危惧するように撫でる。


「カポを執務室でレイプ……。はっ、想像しただけでイけそうだな」


いやいやいやいや俺の言動おもっきし無視ですか。俺の予想はドンピシャだったのね。しかも直球できましたね直球で。もしそうだったらだったらアナタ相当の早漏ヨ(イヴァン程ではないと思うが)。ってか何故そんなこと真顔で言うかねこの変態。


「バーカバーカバーカ、このエロライオン」


「そのエロライオンの下でいつもあんあん啼いてるのは何処のわんわんだろうなー?」


顎を指で添えられて唇をぺろっと舐められる。不意だったもので一瞬躯がゾクッてきた。


「…っ、…へんたい…」


「褒め言葉にしか聞こえねえな」


俺が座っていたソファーの方に来て腕を捕まれる。そして両手を上に持っていかれ、ドサッという音と共に押し倒された。

ヤバい、非常ーにヤバい……この状況。


「うわっ、こんなところで盛んなよ!!ヴァッファンクーロ!!」


「軽く飯も食って少しは動けるだろう」


「え……ま、まさかおまっ、そのために!!!」


「確かにジャンのことはいつも見ているが…さすがに俺はエスパーじゃないし?少しでも、体力つけて貰わんとな」


何ですかそのウインクは。その一瞬でシニョーラ100人くらいを虜にさせる技巧を今のこの状況で俺に向けないで欲しいんデスケド。
だって明らかにナニか企んでるオーラが出てるもん!


「…ほっ、他の奴らに聞こえたら……どうすんだよっ…」


「お前が声を出さなければいいだけの話だ」


そうですよ、俺が声出さなければいいだけの話ですよ。そう出来るなら苦労しねぇよ。でも抑制なんてもん簡単に出来ましょうか。そんな苦し紛れに声を殺している俺を見て愉しんでいっつもガンガンガンガン突いてくるヤツは何処のどいつでショウカ。

そんな俺の貞操の危機を感じて必死こいて離れさそうとするが、そんな俺の制御も虚しく、何気なくカッターシャツを捲りあげられ乳首を弄られる。


「ちょ、やだっ…って――やめ、…っ……」


「ほら、お前も…欲しくなってきたんだろ?」


スルッ…っとズボンの下を、厭らしくさすってくる。布越しに触れられるソコはいつの間にか反応していて張り詰めていた。

や、生理現象ということにしてクダサイ。


「っ……///このストロンツォ……」


「じゃ、可愛いがってやるよ、淫乱わんこ」




こうして俺はいつものように流され、この野獣に喰われる羽目になった。


この絶倫エロライオンに勝てる日は来るのだろうか……。













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