壱之庭
□就認
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「待たせたね、玖琅」
次兄と共に戻った長兄は静かな声でそう告げた。
「今までありがとう…もう何も心配いらないよ」
傍に立つ次兄は無言で自分を見つめている。
「お帰りなさいませ」
玖琅は頭を垂れ、静かに跪いた───紅家当主の帰還に。
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