捧 呈

□斬照
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『ことあれば、お呼び下さい───』

そう告げると微かに笑ったような気がする。

その微かな笑みに、恐らくこの方が自分を呼ぶ事はないだろう…そう予感する。

 傲慢で残酷な王。

 純粋で優しい残酷な人。

指し示た地位も栄誉も、自分を欲した為ではないであろう事も、総て解ってしまう。

それを少し寂しく感じた。

 それでも───

『どの昊の下にあっても、必ず参りましょう───陛下の御為に』



 それは、自分自身への誓い。


 

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