壱之庭

□流立
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 ──ことり。

 僅かな音が響く。

 そのおとないを告げる音に劉輝は口元を緩ませた。

 躊躇いなく庭院に続く扉を開け放つ。

 そこに佇む影はゆっくり振り返り、微かに笑みを浮かべた。

「参られたか──龍蓮殿」

 劉輝はそのおとないを心から喜び、稀人を迎え入れた。

 

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