『ん…っわ!!』
いっけない、また執務室のソファで寝ちゃった!
隊長にまたどやされると思ったけど、執務室には誰もいなかった。ラッキー。
『ん〜っ、ふう…』
思いっきり伸びをしてゆっくりと腕を下ろすと、指先が何かふさっとしたものに触れた。なんかこう…髪の毛みたいな?
『…えっ!?』
なんと私の膝を枕にされてたのだ。しかも、日番谷隊長に…
びっくりして飛び跳ねるとこだったけど、さすがにできなかった。隊長の頭が落ちる→怒られるオチがなんとなく予想できたから。
う、動けない…
「…ん…」
隊長が寝返りを打つ。子供っぽい寝顔があらわになった。
いつもは眉間に皺寄せちゃって愛らしさの欠片もないのに、こう見ると…なんというか…
かわいい、かも…
すぐに起こして仕事に戻させるのはあまりにももったいなかった。
なによりも、いつも一生懸命に働く中での一瞬の休息を壊したくなかった。
私はその安らぎから目覚めさせないよう、優しく頬を撫でた。
おやすみ私の憎たらしい王子様
(これでサボれる、なんてのは内緒だよ)
120922 美瑠