騎士の奏でる鎮魂歌

□一章-3:試験
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「アース殿。」
薄暗い通路を静かに進んでいたアースを止めたのは聖創立騎士団の騎士部長の一人、クレナギ=クロウ。高く結った黒髪が揺れる。
「これはクレナギ殿。お久しぶりです。」
アースはにこやかにクレナギに挨拶した。
「………貴方は今日の試験、どうなると読んでいますかな?」
「………何故そのようなことを?」
一応聞いてみる。が、クレナギは黙ってアースを見つめている。---この真っすぐな黒い瞳が、昔の事を思い出させ苦い念いに囚われそうになったが顔には出さず、苦笑しておく。
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