騎士の奏でる鎮魂歌

□聖職者の鎮魂歌
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「このような馬鹿げた話し合いをする間に、他にやる可き事が有ろう。本気で国を憂え、治める気があるのなら、後ろ盾やらは関係なく有能な者を起用すれば良いのだ。………良いか諸君。そなたらが今のまま進み続けるのであれば必ず破滅する。欲ばかり求め、国王を蔑ろにするならば、必ず地に臥す事となろう。」
ギィ、と扉を開き、廊下に一歩踏み出す。
「…今のわたしの言葉をどう受け取るかは、そなたらの自由だ。不快に思ったなら降格させるなり暗殺を企てるなり、好きにするが良い。」
そこまで言い、くっと口の端をあげる。
「………次は、国の為になる話し合いをしたいものだな、教皇カフィンどの。」
バタンと閉じた扉をしばらく見つめていたカフィンは、深く長いため息をついた。周りから侯爵を追放しようだの何だのと言われるが、すぐに黙らせる。
背もたれにもたれ掛かったカフィンは机の上で指を組んだ。
「………皆、侯爵には手を出すな。…まこと、不愉快窮まりないが、あれとて王家に連なる家系の当主…、…しばらく泳がせておこうではないか。…それに、王に不信感を抱かせてはならぬからな………。」
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