騎士の奏でる鎮魂歌

□一章-2:練
2ページ/32ページ

「………あ。オーイ!こっち来て一緒に食べようよー!!」
「お前………。」
「ラズィーも他の人と仲良くなっておいた方が良いって!…ほら。詰めて詰めて!」
半ば勢いに押されるように席をずれる。---先程小声で話していた二人が怖ず怖ずと席についた。
無言で食べ出したラズヴェルトを見てまた焦る。
が、ヴィッセルはこの一週間で慣れたのか気にせずニコニコ笑う。---心強いことこの上ない。
「昨日さ。君から借りた兵法書、読んだよ。なかなか興味深い内容だった。」
「………そうか。」
「あ、このあとなんだけど、一緒に訓練所に来てくれない?なかなか上手く次の型に移せなくてさ。」
「わかった。………オレの相手もしてもらう。」
「もちろん!!」
…会話している。それはもう普通に。
唖然として見ていた二人はヴィッセルの声で現実に呼び戻された。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ