メンデル研究室


□愛狂ーアイ、クルイマスー
2ページ/4ページ



夕方過ぎ、電気もつけない暗い部屋に響いていた携帯を弄る音が止んだ。


−静寂が、怖い。



「ふぅん…。で、どっちから誘ったワケ?」

僕の携帯を床に落とすと、アスランはベッドの上で動けないでいる僕に馬乗りになってきた。

「イヤだ…アスラン何するのっ…!」

後ろ手に縛られた手首が二人分の体重を受けて軋んだが、拘束を解きたい一心で身を捩る。


「キラがイザークにされたコトだよ」

途端、力任せにシャツを破かれ、悪戯に首筋に噛みつかれる。

「ンっ…」

放課後のイザークとの行為がフラッシュバックした。
西日が差し込む、オレンジ色に染まる教室。
埃がつく事も気にならない位、作業机の間に押し倒された後はイザークの告白に頭が真っ白になった。

視界の端で陽光を浴びた艶やかな銀の髪が揺れ、擽るようなキスを受けた。

−キラ、名前で呼べ…。
お前に呼ばれたい

−愛してる…


「イザークが…「もう名前で呼びあえる仲なのか?」


“僕の事好きだって”
そう告げる前に、アスランの声に掻き消された。


僕を見下ろすアスランの冷たい瞳と不安気に見上げた瞳が絡み合った。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ