メンデル研究室
□愛狂ーアイ、クルイマスー
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無機質な部屋。
必要最低限な物しか置かれていない幼なじみの部屋。
見慣れている筈なのに、今はそれが怖い……。
「ねぇ…放課後さ、被服室で誰と話してたの?」
ずっと無言だったアスランが口を開いた。
僕の体が自然に震えたのは何の感情も籠もらないアスランの声が室内に響いたからだけでは無い。
「何で…知って…!?」
人が居ないのを見計らって入った筈なのに…。
アスランに見られてた…?
僕をマンションの最上階にあるアスランの部屋に引っ張ってくるなり自室に押し込めた本人は、ずっと隣で椅子に座り僕の携帯を弄っている。
「俺はキラの事全部知りたいからね。…で、一応聞くけど誰と話してたの?」
「ジュール先輩…」
イザーク・ジュール。
周りが言う、厳しい生徒会長というイメージは微塵もない。以前から優しく接してくれた一学年上の彼から呼び出されたのは、今回が初めてだった。