フェブラリウス市市長室
□新薬は危険な香り
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「楽勝。取ってきたぜ?」
見事にストレート負けしたディアッカが、ミゲルの部屋に戻ってきた。
デスクの上で、握っていた手を緩めると小さな白い錠剤が転がった。
「何の薬なんでしょうね?」
「そんなの胃腸薬に決まってるだろう」
ピシャリと言ったイザークにニコルはムッと口を曲げた。
「連れないですねイザーク、そんなつっけんどんな答えじゃ全く面白くないんですけど♪」
黒いオーラが漂い始めたニコルから目を逸らしたラスティは、隣でお菓子を貪っているディアッカに話題を振った。
「ディアッカは分かんない?親父さん、医師免許持ってたじゃん」
「…確かにね。
でも俺、そっち方面はノータッチだから。ラベルも貼ってない瓶にただ入ってただけだったし」
「そっか〜…」
謎の錠剤を囲んでザフトのエース達が推測し合う中、ベッドに腰掛けて愛用のベースを弄っていたミゲルが一言、呟いた。
「試しに飲んでみりゃいいじゃん」