舞遊

□汚染
1ページ/1ページ


積み重ねられてきた

時間が刻まれたであろう

汚れたパレットの上に

新しい

白という色が

生まれた。


白は刻々と

滲むように

黒という穢れた色に

浸食されてゆく。


黒だけではない。


汚れのようにこびりついた

穢れた色達が皆

白に溶け込むように

浸食してゆくのだ。


真は

穢れた色達ではなく

白が溶け込んでいるのかもしれない。


滴が一つ

涙のように

白に落とされた。


穢れゆく自らを

白が嘆いたのだろうか。


白の意志とは裏腹に

悲しみで弛んだ隙間からは

穢れた色達が浸食してくる。


いずれは

白もまた

白から別の色へと

独特の色に変化し

穢れた色達と

同化してゆくのだろう…。


気付いたら頃には

嘆きなど忘れ

涙枯れ果てるはずさ。


そうしてまた

新たな汚れが

パレットに刻まれる。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ