01/13の日記

21:38
詩「いつかはまたいつかに」
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雪に支配された獣道を
僕は歩いている

厚手の靴底で雪は
ぱしゃりぱしゃり
小さな抵抗をみせては黒く影をおとした

産み堕とされて小さく鳴いた僕は今も歩いている

きっとこの靴底のずっと向こうで
今も僕をみつめているだろう

白く支配された獣道を
僕は歩いている

厚手の靴はぱしゃりぱしゃりと僕をどこかへと誘う

昨日の悲しみも喜びも
ぱしゃりぱしゃりと消えてゆく

今在る僕も明日在る僕にまた消えてゆく


そんな僕は今
雪に支配された獣道を歩いている

僕の靴底で小さく鳴いた真っ白な雪は

僕の後ろで静かに僕の影を消してゆく

遠くで陽は産まれてくる不確かな明日のために消えてゆく

まるで小さな芽吹きを春風に届けるように


僕をまた産み堕とすように



本田ちゃぼ

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