からすあげはの散歩道

□轍
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《轍》


何も見えない霞んで
続く平坦な道


時の悪戯か あなたの日だまりのような道と交差していた


記憶戻せばハジマリに見たあなたの笑顔


狂おしく咲いた野の花よりも
愛しさ心に香る


茜空 夕月に沈む坂道を今は それぞれの正しさの中


違う何かを求めながら離れる影
とき刻んでゆく



ぬかるんだ散歩道
轍に残るは許された日々


止まらずに頬伝い零れ落ちる想い出


風に舞い空で消えた
無理に笑った静寂の中 降り注ぐ星雪
ふらり




季節外れか 枯木立に舞う烏揚羽


頼る花も無くゆらゆら踊るように瞼に跡残した


閉ざした窓辺で言葉も無く ただ眺めてた

幻に消えたあなたを
探す まるで今の私


落ちてくる陽射しに浮かぶ坂道を溜息に消えた視界になぞる


冷たい風にのまれても
いつか…

きっと…

そう…

歩いていけるのだろう


ネジキレタオルゴール
背中で歌うはあの轍の歌


歩いてく昨日と背中あわせの今日


押し出す明日にふらり


歌を歌うよ あなた迷わぬよう


零れ落ちる想い




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