その他

□過去拍手
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どうして空は青いの?


子供がそう言う時、私はドキッとする。

純粋な目を私に向けて。

私にはもう何処かに置いてきてしまった。


雲のありかを教えてほしい。

火影岩の上に座って、ぼんやりと思う。


「やっぱりここに居た」

「…カカシ」


後ろにある気配は、間違いなく私の大好きな気配。

相変わらず空は青くて、雲は何処かにいってしまった。


「ねぇ」

「んー?」

「私、忘れ物取りに行かなきゃ」


走って走って、雲の元へ。

青い空は一回転。


「何処に?」


思い出す。

あの時も今みたいに青かっただろうか。

風はサラサラと輝きながら私を弄ぶ。


「分からないの」


隣にカカシが座った。

銀色が反射してとても眩しい。

太陽よりも輝いていた。


「一緒に探しに行こ」

「一緒に?」


カカシを見ると笑っていた。

大きな手に包まれて、私も一緒に笑った。


「そ。これからもずっと一緒」

「ずっと?」

「ずっと」


やっぱり雲は何処にも居なくて。

空が雲を塗り潰したのか。

隣にある銀色は相変わらず輝いている。


「見つかるかな」


そう呟けば、カカシは強く握ってくれて。

私をちゃんと見つめてくれた。


「一緒だから見つかるよ。きっと」


相変わらず空は碧くて、雲は何処かにいってしまった。


真っ青な空の下、私とカカシが探しに行くもの。

それはとても…





とても
い空の下で

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