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□君に会いたい
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ここは夜の黒の教団本部
その荘厳な建物の地上の塔にはエクソシストと団員の個室がある。


その一室にミランダ・ロットーはいた。





任務のために1週間以上空けていた自室は久しぶりだった。
机の上には僅かに1週間分の埃がうっすらとたまっているように見えた。

しかしミランダはそんなことはどうでもよく、
部屋に入ってそうそうにベッドに倒れこんでしまった。



失業をして悩み10日以上も寝ていないこともあった。
しかし、今はその時とは反対にとても眠い。

任務ではイノセンスを発動し続ける時間が長く、
倒れるほどではなかったがもう限界に近かった。


ミランダはもう半分寝かけている体を起こし、着ていた団服を脱ぎ
近くに掛けてあったシャツを被り再びベッドの中に入った。



少しするとスースーという規則正しい寝息が聞こえてきた。










―――――――――――――




ミランダが眠りにつき何刻かしたころ
黒の教団を少し離れたところから眺める者がいた。



驚くことにそれは宙に浮いていた。



教団を眺める青年はウェーブのかかった髪に燕尾服、
肌は灰色に近い褐色、その額には星型の聖痕が浮かんでいる。



青年、ノアの一族のティキ・ミックはその口元に弧を描いた。









――――――――――――


ここは再び、さっきのミランダの自室。


ミランダが寝ているベッドの向かいには1つの窓があった。
窓からは三日月が覗いている。




その時その窓から何かが侵入してきた。




しかしそれは音を立てない。
窓も開けなければそれを破壊することもない。


壁から足、手がぬっと出てくる。




そこへ壁を通過して現れたのはティキ・ミックだった。




万物に対しての自由な「選択」
それがティキの能力だった。




自分が通過して入ってきた部屋をティキは興味深そうにキョロキョロと見渡す。


そしてゆっくりと1歩1歩、ミランダが眠っているベッドに近づく。
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