アオイシロ

□私のモノという証
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私のモノという証



ミギオサSS




今、わたくし事、小山内梢子は、ある決心を固めていた。

いつものように、前触れ無しにやってきた恋人、喜屋武汀にある事をしようと決めているのである。


というのも、数日前から悩んでいた事があったからなのだが……


数日前の放課後、部活の後の更衣室での事に端を発している。


きっかけは単純、百子の一言に汀との電話でのことが重なって、ある不安が生じた。


それは部活の後、他愛もない話で百子達が盛り上がっていた時だった。

「オサ先輩、オサ先輩!ミギーさんってどのくらいの人に告白された事あるでしょうか」

話を振った百子も他の面子も、只の好奇心。
汀は男にも女にもよくモテルだろう、という単純な推測。

けれど、それに何の不安も持っていなかった。
“告白”されるとまでは考えていなかったから。

そんな話の後、掛かってきた汀からの電話で、背後から学友だろう声が聞こえた。

「汀ったらまた告白されたんだって?ヤルー♪」

という冷やかしの声。
「電話中」という汀の返事にごめんごめんと居なくなったようだったが……

「汀って…告白とかされるんだ…」
「ん?や、ほら、あたしってナイスバディだし、人柄だって愛そうだって良いし?男女問わず大人気なわけだ」
「ふ〜ん……」


汀がなんて返事をしているかなんてどうでも良かった。

口八丁の汀なのだから、どうせ適当な事を云ってはぐらかしているに決っているのだから。

気になったのは……
周りの人が、告白して自分のモノにしたいとかそう言った考えで汀の事を見ているのだという事。

あれは私のモノなのに……




そんな事があってからだ。


私は毎日のように、不安になった。
どうしたら、汀に向かう好意を止める事が出来るだろう。
汀が接する全ての人に、“これは私のモノだ”と知らしめることが出来るのだろうか。

ずっと考え続けて、やっと出した結論。
それを実行する日がやって来たのだ。




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