アオイシロ
□病
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綾代が学校を休んだ。
どうやら、最近学校で流行っていた、インフルエンザに罹ってしまったらしい。
先週末、少し体調がおかしいと言って部活を休んでいたけれど、まさかインフルエンザだったとは思いもしなかった。
「インフルエンザって事は……一週間位は休みって事になるのかしら…」
独り言のように呟き、空白となっている席を見つめた。
授業中、いつも見えていた後ろ姿がない。
妙な違和感がある。
いるべき人がそこにいない。
いつもは真面目に聞いている授業も、何となく適当に流してしまっていた。
今日は綾代の分のノートも取る為、忙しい筈なのだが、私の視線は目に映らぬ綾代の後ろ姿を見つめてしまっていた。
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