tennis
□未成年の喫煙禁止
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「あ〜、やっぱりもうちょい身長欲しかったぜよ」
ベッドにダイブした後、柳の身体を抱きしめたまま仁王は溜息と共に呟いた。
その言葉を耳にした柳はくすりと笑う。
「なら、煙草はもう止めるんだな」
「なんじゃ、知っとったんか」
「そりゃあ分かるさ」
まさか見抜かれているとは思っておらず、仁王は取り繕うように笑いさすが参謀じゃの・・・とその冷たい頬に唇を寄せた。
そんな仁王を好きにさせ、素直に身を任せながらも柳は綺麗な眉を顰めて苦言を呈する。
「成長の途中である俺達にとってあれは百害あって一理なし、だ」
「分かっとるよ。別にちょっと興味湧いたから吸ってみたかっただけじゃ。ヘビースモーカーでもないき、すぐ止められる」
「どうだかな。お前は誘惑に弱い」
そう言った柳の瞳が挑発的で魅惑的で、これからの行為を促しているようで。
溺れそうだ・・・と仁王は思う。
いや、実際にもう溺れているのだ。
一度味わえば手離せなくなる、麻薬のように常習性の強い色香を放ち、自分を惑わすこの策士から逃れられない。
詐欺師の異名も形無しだ。
「・・・ああ、その通りじゃ」
しなやかな彼の身体を抱きしめ直し、仁王は薄く柔らかな唇に情熱的に口づけた。
もっともっと溺れさせてくれ。
どこまでも一緒に堕ちて行こう。