Tales
□限界
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「………………………」
気にしちゃ駄目だ。気にしたらアウトだ。
でも気になる。
さっきから気になってるのはリタが頭に付けているねこみみ。
そのねこみみが生きているかのようにリタが歩く度に揺れ動く。
何故彼女がそれを付けているのか。
数分前
「ねぇねぇーオモシロイことやんない?」
「オモシロイこと…です?」
「なんか胡散臭ぇな…」
「オモシロそうね♪何かしら?」
「さっすがジュディスちゃーん♪」
「それより何だよ、オモシロイことって?」
「それはね……ジャンケンで負けた人は街に着くまでコスチュームを着るってこと!」
「「「「……………………」」」」
「却下」
「聞いて損した」
「ちょっ青年、リタっち〜…」
「ぼ、僕はやだよ…?」
「あら、オモシロそうじゃない?」
「楽しそうです♪」
「ちょ…ジュディスはともかくエステルまで!?」
「あら、勘に障る言い方ね」
「楽しそうじゃないです?」
「え…いや、だって…」
「そうよーリタっち、楽しいよー?」
「うっ……エステルがやるなら…あたしも…」
「マジかよ!?……んじゃリタがやるなら俺も」
「ユーリも!?ぼ、僕はやらないからねっ!」
「おやー?少年逃げるのー?男じゃないね〜」
「そうだぞカロル。男なら逃げるな」
「ユーリ、さっきと言ってることが違うよ!!」
「うっさいわね…」
「やりましょう、カロル♪」
「うぅ〜……………」
「さ、やるよージャンケンホイッ」
それでリタが負け、ねこねこウェイターの服を着ることになった。
歩くときも戦闘のときもひょこひょこ動くねこみみ。
嫌でも視界に入ってくる。
しかしそんな我慢もようやく終わる。