Tales

□甘口or辛口
1ページ/2ページ

「おーい、飯出来たぞー」

「待ってましたー♪」

「…遅いわよ」

「あら、良い匂いね」

「美味しそうです」

「僕、もうお腹ペコペコー」

「カレーかぁ、んじゃお先にー♪」

「ストップ。みんなのはこっちだ」

「?…じゃあこっちの二つは?」

別の場所にカレーが二つ置いてある。

「これは俺とリタのだ」

「………は?」

「な、なんで…?」

「ふっふーん。おっさんピーンときたよ?」

ビシッとユーリに向かって指をさす。

「自分とリタっちだけ違うのを食べるんだね?」

「なっ………!!」

「そ、そうなんです?ユーリ」

「ちげーよ。どっから見たってみんなのと同じだろ」

「じゃ、じゃあなんで……?」

「問題は見た目じゃなくて味だよ」

「あ…味……?」

「俺とリタは甘口なんだよ」

「えっ…………?」

「あ、あんた……」

「あれ?青年って甘口だったっけ?」

「そうだよ、わりぃか?ってか言ってなかったっけか?」

「聞いてないですよ」

「初耳よ?」

「そりゃ失礼」

「へぇー………」

「さ、冷めないうちに食べろよ」

「そ、そうですね…」

「それじゃあいただこうかしら」

みんなはカレーを食べ始めた。

俺はぼーっと立っているリタにカレーを渡す。

「ほらよ、リタ」

「あ…ありがとう…」

「……ん?どうした?顔赤いぞ?」

「な、なんでもないわよ…!」

「そっか?…ならいいけどよ」

「……………………」





あたしが辛いの苦手だって解ってるのが嬉しいなんて



言えるわけないじゃない。




















甘口or辛口




(……甘くて美味しい)
(だろ?やっぱカレーは甘口だよな)
(そうね……///)


(あ〜あ、食べるときも二人だけですか)
(なんでユーリとリタは離れて食べるの?)
(やっぱりあの二つだけ違うんじゃないかしら?)
(私…リタと一緒に食べたかったです)
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ