Tales

□心の片隅
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「……エステル…ちょっといいか」

「……はい……?」











心の片隅












「………どうしたんですか?」

「…………怖いだろ」

「……な…何が…です…?」

「……解ってんだろ…俺が人を殺すこと…」

「……っ………!!」

「…無理しなくてもいんだぜ…?嫌だったら…」

「い、嫌じゃないですっ!!無理もしてません!!」

「……辛くないのか?」

「……っ!!…いいんです…これは…私が決めたことですから…」

「…………そうか」

「……でも本当は……少し…怖い…」

「……まぁ無理もねーわな…」

「で、でも…ユーリは私が自分を制御出来なかったとき…必死に私を止めてくれました…」

「………あれは…」

「嬉しかった…私…世界の毒と言われて…怖かった…」

「………エステル……」

「…でも、ユーリは私を助けてくれた…私を…世界の毒を…」

「……これ以上言うな」

「…………………」

「……お前は毒なんかじゃねぇ…お前は……普通の人間だ」

「………ユーリ……」

「……頼むから…もう“あんなこと”言わないでくれ…」

「…………………」











一一お願い






一一一私がみんなを






一一一一傷付ける前に






一一一一一私を殺して











「……………………」

「……………………」

「……俺は自分が死ぬより殺すほうが怖い」

「……………!!!」

「……俺だって好きに殺してる訳じゃねえ…」

「…………………」

「……俺だって人を殺すのは怖い」
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