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□The most favorite warm place
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「…ん〜…、こんなトコでちょっと休みますかねぇ」


ある程度まで打ち込んだ画面を保存すると、アタシは椅子の背もたれに躯を預け一つ大きな伸びをした。
首を左右に傾けたり肩をぐるぐる回してみたりと、長時間PCに向かっていた所為で凝り固まった筋肉を解す。暫くのストレッチの後壁に掛けられた時計を見れば、3時になるかならないかの所だった。

「うん、ナイスタイミングっスね」

椅子から立ち上がりもう一度だけ伸びをして。
アタシは自室兼仕事場を後にすると、3時のお茶の準備に取り掛かるべくキッチンへと向かう。
やかんを火に掛け器をテーブルに並べていると、背後から響くピーと言う甲高い音。
音が大きくなる前に止めると、アタシは隣の洋室に居る一護サンを呼びに行った。
今日のおやつは担当サンから差し入れで貰った、御用邸のチーズケーキに同じくその店で販売されているブルーベリーティー。
これがまたチーズケーキにぴったり合うんですよねぇ。絶対一護サンに食べさせて上げたくて。
アタシは軽く鼻歌を口ずさみながら、そっと扉を開けて

「一護サ〜ン、おやつっスよぉ〜」

と声を掛けた。




ど〜も今日は。
浦原喜助です。相変わらずのんびり文章を書き散らして…と言う程でも無いんですが(そろそろ締切りが近くなって来たんでー)、まぁぼちぼち、それでもって一護サンとは『毎日ラブラブvv』にやってますハイ。



一護サン、最近は人型で過ごす事が多くて、アタシは朝から幸せ一杯の『おはようのキス』で起こして貰ってます。
朝食が済んでからは、アタシは大概仕事用に資料をチェックしたり、担当サンと連絡を取ったりとか色々と細かい作業してるんですが、一方一護サンの方はテレビを見てこちらの情報を覚えたり、後は本を読んだりしてますね。

一護サン…凄く覚えが良いんですよぉv
最初は全く文字なんて判らなかったのに、一生懸命勉強して今じゃ平仮名片仮名はおろか、漢字も大分読める様になりまして。
最近ではライトノベルって言うんスかねぇ、その手の小説がお気に入りの様でして、アタシが渡すそばから夢中になって読んでます。本当はアタシがずっと構って上げていられれば良いんですけどねぇ、そーゆー訳にも行きませんし。
でも夕食後等に一護サンが、

『今日読んだ本はこんなだった』
『凄くどきどきして続きが気になるんだ』

って、嬉しそうにアタシに話してくれるので、そう言ったトコでコミュニケーションを取ってます(それと夜にも――たまに昼間でも――たっぷり親密に)。
それ以外に一護サンが良くしている事と言えば。



「…一護サ〜ン?おやつ……、…おや、まぁ」



何時もならば「おやつ」と声を掛ければ、直ぐに一護サンの嬉しそうな返事が聞こえるんスけど。
ひょっとしてと思い部屋の中を覗けば、柔らかな陽射しが差し込む床の上、その陽だまりの中でお気に入りのでっかいクッションに半ば埋もれる様になりながら、うつ伏せですやすやと眠っている一護サン(人型)の姿。
傍には読み掛けらしい本が、ページを開いたまま置かれていて。
一護サン何やら楽しい夢でも見てるのか、時折耳がぴるぴる動いてますよ。可愛いっスねぇvv

この部屋は床暖房にして有る所為か、寝転がっていると眠くなって来ちゃうみたいなんスよねぇ。
特に猫の姿で居る時なんかは、大抵此処で日向ぼっこしつつお昼寝…って言うか眠っている事が多いっスよ。
アタシとしてはどの場所で転がっていても、暖かさは同じかと思ってたんですけど、一護サンを見てるとそうじゃ無いらしいんです。
やっぱりお日様の陽射しは格別の様でして。
陽の光が時間事に移動するでしょ、そーすると寝転がってた一護サンもそれに合せて場所を変えてるんですよ。
どんな風に移動してるのか興味有るんスけどね。

それでですね、その一護サンの寝てる姿、これがまたとっても愛らしいんですよーvv
家にすっかり慣れた所為か、仰向けでお腹丸見え状態でお日様の陽射しを浴びて寝てるんですが、眩しいらしくて手を顔の(目の)上にかざしつつ――それでもその場所から動こうとしないんですよ。
その姿が何とも愛らしくて可愛くて。
何時間でも眺めていられますね、あの姿は。
まぁ今日は人型ですけど、それでも眠っている姿の可愛いらしさは変わらないですねぇ。
おやおや、今度は二本の尻尾をぱたんぱたん動かして。

ちなみに今の一護サンの恰好は、ゆったりとしたスウェットのパンツにアタシのお古のセーターっス。
あんまり躯にぴったりした服は苦手――と言うか慣れないらしくて――でして、なるべくゆとりの有るサイズを着せてるんですよ。

え?何故アタシのお古を着ているのかですって?

…え〜とぉ……まぁ上の理由(サイズが大きめ)も有るんですが、その…一護サン曰く、

『浦原さんの匂いがするから安心する』

んだそうで///。

…いや、もう、堪んないっスよねぇ…そんな事言われたら///。

恋人冥利に尽きると言いますか。

おまけに服が緩めだとこう…、スキンシップの際に隙間から手を入れ易いなぁとか、脱がせ易くて良いなぁとか…、……ま、まぁつまり双方共にメリットが有るんスよ、はい。

「……み……」

それにしても一護サン、ホントによく寝てますよねぇ。

おやつ…どうしましょう。起こすべきかどうするか悩みつつ、一護サンの傍にそっと座り込むと、アタシはすやすや眠り続ける一護サンに視線を向けた。

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