拍手部屋

□正しいにゃんこのモフり方〜一護バージョン〜
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ゆっくりと、優しく。
何度も行き来する温もり。
俺の大好きな…浦原さんの掌の温もり。

あんまり気持ち良くて、もっと撫でて欲しいなぁと思って。
でも心地良くて眠くなってしまって。
『もっと撫でて?』ってお願いしようにも、もう眠くて眠くて。今は猫型だから人の言葉は話せないし。
だから気持ちを伝えようと浦原さんにくっ付こうとしても、もうその場(床)から動くのも大変で。だって本当に眠いんだ。そんな時って、人でも動きたくなくなるだろ?
だからせめて『気持ち良い』って伝えたくて、浦原さんの掌に擦り擦りしてみたんだ。


そうしたら。


浦原さんの掌が俺の耳を優しく撫でてくれたんだ。すごく丁寧に、何度も何度も。それがあんまり気持ち良くて、自然と俺の口から声が漏れてしまう。そうすると浦原さんは、もっと一杯撫で撫でしてくれるんだ。


……浦原さんって不思議だよなぁ……


だってさ、例えば俺が『撫でて欲しいなぁ』とか『ぎゅぅして欲しいなぁ』とか思って、それで浦原さんにお願いしてみようかなぁって考えた時。でも浦原さんはお仕事が忙しいから、今は平気かなって思うだろ?それで確かめようと浦原さんを見ると…。

――浦原さん、直ぐに俺の側に来てくれるんだ。

そうして沢山、これでもかってぐらいに一杯、俺を『撫で撫で・ぎゅ〜』してくれるんだ。
そんな時の浦原さんは、とても優しく微笑っていて。もっとその顔を見ていたい…と思いながらも、眠気に負けて俺の意識は夢の中に行ってしまうんだ。

でも、さ。

眠ってる間、俺はとても幸せな気持ちでいられるんだ。だって……浦原さんの優しい温もりが、俺をずっと包んでくれているから。
大好きな浦原さんの気配が、ずっと俺の側に感じられるから。

俺が『願う事』を、浦原さんは言わなくても分かってくれる。
浦原さんって本当に不思議で、凄くて……。


「…………気持ち良いっスか…?ねぇ一護サン…――」


………そんな浦原さんの言葉に応えたくて、でももう意識が限界で。
だから俺は『浦原さん……大好き』と想いながら、もう一度だけ浦原さんの掌に頬擦りをする。
どうかこの気持ちが伝わるようにと願いながら。

『正しいにゃんこのモフり方』の一護さんバージョン。


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