ピアス開けようかと思ってんねんけど。
唐突にそう言えば、彼は目を大きく見開いて、口には出さないけど「何でや」という感情が伝わってくる。
「あたしピアス好きやねん」
アホらしい言い訳に納得してくれるなんて思わなかったけど、予想に反して光から返ってきたのはは「あっそ」の一言。あたしに興味なんかまるで沸かないと言いたげなその返事に、あたしがショックを受けないとでも思っているのだろうか。
「ま、せいぜい泣かんようにな。」
「え、そない痛いん!?」
「一瞬だけやけど、」
「いっ、嫌や!」
言った直後に、ほな開けるなとか言われそうな気がして後悔した。けど、その後の光の言葉があまりにも光には不自然すぎて、だけどすごく嬉しくて。ピアスを開ける恐怖だとか不安だとかが、全て吹っ飛んでいくような感覚に襲われた。
「名無しさんが泣かんと穴開けれたら、このピアス1こやるわ。」
ピアスじゃなくて
貴方が好き
(101112)