立海ぶっく

□赤
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あれ、お前ってそんなに不良だったっけ?

それは3日前にブン太に言われた一言。ただ授業中に携帯弄ってただけなのに不良だなんて、そんなんだったらこの世の半分ちかくが不良になるじゃんか!大体、あたしは確かに授業中に携帯弄ってるけどそれはつい最近だけの話だし、それ以外に悪いことなんか一切してるつもりは無い。強いて言うなら部活の粉ドリンクの分量が適当だってことくらいだし。



「どうせクリスマスに一人寂しいブン太君にはわかりませんよーう!」

「うぜぇ…!」



折角クリスマスっていう都合の良い行事があるんだから、そんな最高のチャンスに乗じて、いつものお返しがてら精市にサプライズしてあげたいって訳。彼女ならこれくらいしてあげないとって思うのは当然でしょ?(あたしってばいい彼女!)
でもだからといって精市に何をしてあげればいいのか、そう簡単に思い付いたらこんなに苦労しないのに。精市は普段から欲しいものとか言ってくれるような人じゃないし、何が欲しいか聞いたところで答えてくれるとは思えない。



「どうしよう」

「何が?」

「え、」



部活中にポツリと不安を口に出せば、不意に後ろから声が聞こえた。かと思えば両肩に重みがかかるような感覚、それからあたしの大好きなに包まれて。それが精市だなんて考えなくてもわかる。
それにしてもタイミングが良すぎて、どう返事をすればいいのかわからない。ここでクリスマスがどうだの言いたくないけど、だからって何か良い言い訳が簡単に思い付くほどあたしは頭が良いわけじゃなくて。



「えと、あの、その…」

「隠し事はしないって約束だろう?」



約束じゃなくて、精市が約束として(勝手に)決めたものなんだけど。今だけはそんな約束を聞き入れるわけにはいかない。クリスマスのサプライズを考えてるんだから、ここで精市にばれたらなんの面白味もないでしょ?
部活中だなんてお構いなしにあたしにキスをしてくる精市が、どうにかしてでもあたしから隠し事を聞き出そうとしてるのは嫌でもわかる。
すると不意に体が軽くなって、背中側にいたはずの精市が目の前に。表情こそ笑顔そのものだけど、心うちでは何かをたくらんでるに違いない。



「ふーん、隠し事するんだ?」

「隠し事って訳じゃなくて…」

「もしかしてクリスマスにサプライズでもしようと思ってる?」

「何で知ってるの!?」

「ふふっ、当たりだったんだ。名無しさんのことだからやるんじゃないかなって思って、適当に言ってみたんだけど。」



しまったと思った時には既に遅く、あたしの秘密は完全に精市によって掘り出された。精市に隠し事なんて通じないとは思ってたけど、ここまで簡単に掘り出されるとあたしのバカさ加減に悲しくなる。
すると精市は急に笑い出して、まるでいい子いい子をするかのようにあたしの頭を撫で始めて。「やっぱり名無しさんは可愛いなぁ。」なんてバカにされてるとしか思えない。



「何もしなくても、名無しさんが居てくれるだけで十分だよ。」

「っ、」

「顔、真っ赤。」



彼曰く、クリスマスにはが必要


101227.闇†風

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