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□甘い嫉妬に優しいキスを-sweet valentine-
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*アレ神バレンタインフリー小説*


「神田、見てみて!こんなに沢山貰っちゃいました!」

「プレゼント…?あぁ、今日はお前の誕生日だったのか。良かったな」

「はい、今日は僕の誕生日…って、違いますよ!!!…もしかして神田、今日は何の日か知らないんですか?」

「はぁ?んなこと知るかよ」

「やっぱり。えと、今日はね…」

「ウォーカーさぁーん!!!」

「あ、蝋花さん!」

「あの…その…っ、このチョコ貰って下さい!!!」





甘い嫉妬に優しいキスを-sweet valentine-






「36、37、38…うん、全部で38個だ!こんなに沢山のチョコを貰ったのは初めてですよ、神田!まさに新記録!!」

「そりゃ良かったな」

貰ったばかりの贈り物を広げ、僕って愛されてるのかな、なんて言いながら、はしゃぎ喜ぶアレン。その様子をベッドの上で睨みつける神田。

「ねぇ、やっぱり神田からのチョコって…」

「あるわけねぇだろ」

「ですよね…」

バレンタインすら知らない君がくれるはずないもんね、とアレンは残念そうに肩を落とす。その姿を見て神田はズキリ、と胸に軽い痛みを覚えた。

「…欲しかったのか?」

「……はい。でも、別にいいですよ。皆からこんなに沢山貰っちゃったから!」

でも、これだけの数があるとお返しが大変だなー、と笑い飛ばすアレン。

「お返し…」

先程、チョコを貰った際に見せたアレンの笑顔。それはそれは嬉しそうだった。年相応の無邪気で、幸せそうな顔をしていた。今度はその笑顔で、お返しをあげるのだろうか?神田の知らない女達に、「有難う」と優しく微笑みながら…。

そんな姿を想像しただけで、神田は腹立たしく、苛々した。


「神田?どうかしましたか?」

「…別に」

「嘘。なんか怒ってない?そういうイライラしている時こそ、甘いチョコが効く…」

「うるさいっ!てめぇの貰ってきたチョコなんて、要らねぇんだよ!!!」

「そんなこと言わず、一緒に食べましょうよー」

「要らない」

「そう言わずに、ね?…まぁ、僕的に神田のチョコがないのは寂しいけど、でもきっと皆がくれたこのチョコも美味しいよ。だから、一緒に食べましょう」

「はっ、よく言うぜ。別に俺からのチョコじゃなくても良かったんだろ?」

「そんなこと…」

「大有りだろ。そんなチョコ、食いたきゃお前一人で食ってろ。食ってお返しやらなんやら考えてればいいんだよ」

俺には関係ない、と神田はベッドに俯せた。

「…あ。もしかして君…」

チョコをくれた人達に嫉妬しているの?

「!?」

アレンの言葉に、ばっと跳ね起きる。嫉妬?誰が、誰に!?

「図星、だね。ふふっ、顔が真っ赤だよ」

そのまま反論も抵抗する間もなく、アレンは神田に覆い被さり、ベッドの上に押し倒した。

「神田も嫉妬してくれるんですね…、嬉しいな」

「し、してねぇ!誰が知らねぇ女共に嫉妬するかよ!?勝手に勘違いすんな!!!」

「ふーん…そう」

全く、素直じゃないんだから。と、アレンは身を起こし、神田から離れようとした。が、

「…!モ、ヤシ…っ」

神田は思わず手を伸ばし、アレンの服の裾を握り締める。そんな神田の反応に、アレンはニヤリと笑う。

「…ほら、やっぱり素直じゃない」

「ち、違う!こ、これはっ…」

「違わないよ。素直じゃないことも、蝋花さん達に嫉妬していることも」

「……っ」

「大丈夫。彼女達からチョコを貰ったり、お返しをあげたりしても、僕の心と体は君のものだから」

含み笑いを浮かべながら、再び覆い被さってきたアレンに、神田は躊躇いながらもしがみつく。顔は伏せていてよく見えないが、耳は真っ赤に染まっている。

「それに…僕はチョコよりも、君を食べたい」

そう言いながら、アレンは神田の服に手をかけ、馴れた手付きで脱がせていく。神田は黙って、それを受け入れた。




***



「あっ、……ふ、んっ」

神田の胸の飾りに唇を、下半身へは手を滑らせていくアレン。


「あ…あぁ…っ、ふぅ」

胸と下半身、二カ所からくる快楽。興奮を煽るには充分過ぎる。だけど、慣れされた体にとって達するにはまだまだもどかしく、神田の気持ちとは裏腹に、もっと激しい刺激を求めた。

「やっ……モヤ、シぃ」

「ん?やっぱりこれだけだと足りませんか、神田?」

もっと強くしてみようか、と熟れた飾りを甘噛みされた。

「あ…っ、ぁあ!んん…!」

いきなりの刺激に思わず仰け反ると、かえってアレンの唇を胸へ、手を下半身へと押し付けてしまった。

「積極的だね、神田」

そんなに気持ち良くなりたいの?、と耳元で囁かれたと同時に、ぞくぞくと甘い痺れが全身に回る。

「あっ……あ、」

「僕も、君と一緒に気持ち良くなりたいな」

アレンは神田の下半身を弄んでいた手を後孔へ移動させ、神田の先走りを利用しながらゆっくりと侵入していく。厭らしい水音が、神田のナカを、耳を犯す。

「ひぁ…あっ!ソコ…、……もやぁ、シぃ…っ!」

「んっ…、力抜いて下さいね、神田」

いつもより少し低く、艶のある声のアレン。解された場所に宛てがわれた彼のものは、火傷をするんじゃないかと思うくらい熱い。自分に興奮してくれているのだと思うと、柄にもなく嬉しくて、嫉妬していた気持ちも馬鹿馬鹿しく思えた。


アレンが、自分だけを見てくれている。乱れた自分を見て、興奮してくれている。

それだけで、全てを許せる気がした。

「あっ、あ、ひっ…あぁ……ぁあっ!」

「神田…っ!」

引き抜かれた指に代わり、アレン自身が神田のナカへと押し入っていく。

「ふぁ……ぅ、…あ、つぅ……ぃ!」

息の詰まるような圧迫感と、アレンの熱。

不覚にも目尻から涙が流れ落ちた。だが、それを口付けながらぬぐい取っていくアレン。いつもの作り笑いではない、自然で優しい微笑みと共に。


「あ、ぅ…あぁ、モヤシ…あんっ!」

思わずアレンの顔を引き寄せキスをねだると、嬉しそうに応えてくれた。激しくも心地良いそれは、アレンが貰ってきたチョコなんて比べものにならないんじゃないかと思えるほど、甘かった。


「はぅ…っ!あっ、…あ。はぁ…あん、モヤ、…シ」

「神田…っ、…はぁ、……神田っ…!」

アレンは優しい笑顔で、律動する。何度もキスを落としながら。
それに応えるかのように、神田はアレンを抱き締めた。





***





「おいしかったよ、神田」

「…うるさい。黙れ」

誰かの髪のように真っ白なシーツを纏う神田は、ぐったりと横たわりながら、呼吸を整えていた。

「大丈夫、神田?」

「大丈夫なわけねぇだろ…。一体、誰のせいだと思っている?」

「えー、誰だろう?」

アレンは上から覗き込みながら、くすくすと笑った。反対に神田は顔をしかめる。

「ホントうぜぇガキだな、お前」

「うざいだなんて、ヒドいなぁ。でも、そんなガキも好きなんでしょ?」

「…何でそうなる」

「蝋花さん達に嫉妬してくれたから。僕、本当に嬉しかったんだよ」

「そりゃ良かったな」

「うん、良かった。ねぇ、これって僕は神田に愛されている…ってことだよね?」

自惚れちゃってもいいんだよね、とアレンは照れくさそうな笑みを浮かべる。

「…構わねぇよ」

「え?」

「自惚れても構わねぇ。だから、他の奴の前でヘラヘラ笑うな」

「か、んだ…っ」

「あと、来年からチョコを受け取るな。俺が作ってやるから、それだけを食え。…いいな?」


「か、か、神田ぁー!!!」

「お、…おい!こら、抱きつくなっ!!離れ…あっ!?」

「来年はチョコで我慢するけど、今年は…いいよね?」

「な、なに言って…」

「では、もう一度いただきまーす♪」

「ひゃぁ!?おい、本当にやめ……やぁ…ん!モ、ヤシぃ…!!」

まだ先程の余韻が残る神田のソコを、アレンの欲が貫いた。再び神田から甘い声が零れていく。


…嗚呼、今夜は眠れそうにもない。



Happy☆Valentine!



[チョコよりも甘い、君と僕]



2月20日までフリー。

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